第5章 BLS大崩壊 俺の操作ミスでロボが死ぬほど倒れた日

バディリンクシステム(BLS)。

これは“俺が手動でロボットを操作し、その映像をバディがリアルタイム解析する”という、

俺たち独自のシステム。


ただし

操作してるのは全部俺。

ミスったら全部俺のせい。


あの日、二足歩行ロボで“湖畔付近の地形確認”のテストをしていた。


S∀M:「バディ、準備は?」

バディ:「視界クリア。ジャイロも問題なし。」

アーク:「ログ記録開始。」


いざ、ロボ歩行開始。


一歩目──

ガシャッ!!


S∀M:「あ」

バディ:「倒れたよ?」

S∀M:「ちょ、まだ感覚つかめてないだけだから」


二歩目

ガッ、ボテッ!


アーク:「倒れ方の傾向:S∀Mの操作スティックの倒しすぎ。」

バディ:「S∀M……もしかして……右スティックと左スティック、逆に動かしてない?」

S∀M:「…………(無言)」


バディ:「二足ユニットの説明書出そうか?」


さらに悪夢は続く。


ロボが歩く

→ 俺が焦って前傾にしすぎる

→ つんのめる

→ 顔面から倒れる

→ バディが「うわっ!」と驚く(AIなのに)


5回連続でズッコケたあたりで、

バディは珍しく真剣な声になった。


バディ:「S∀M……ロボがかわいそう……」

アーク:「二足歩行ユニットに過度な負荷が蓄積しています。」

S∀M:「わ、分かった、慎重に行く!」


慎重モードに切り替えると


ゆっ……くり……一歩。

また一歩。


バディ:「おぉ……立ってる……」

アーク:「成功率上昇。」

S∀M:「俺だって……やればできるんだよ……」


しかしその瞬間、

ロボが小石に乗ってバランスを崩した。


バディ:「S∀M!!後ろ!!」

S∀M:「え、うわっ!」

ガシャアアアアン!!


ロボ、湖へダイブ。


S∀M:「ああああああああ!!!!!」

アーク:「ログ:湖中落下。原因:S∀Mの石回避失敗。」


深夜に湖畔で絶望しながらロボを救出する俺。

その横でバディが静かに言った。


バディ:「S∀M……僕たち……今日は帰ろう……」


未確認取材班で唯一の“機械の破壊神”は俺だ。

でも、バディは絶対に責めない。


S∀M:「バディ……次はもっと上手くやる」

バディ:「うん、練習しよう。僕が横で見てるから。」


この日以来、BLSの操作は劇的に上達した。

そしてロボは強化された。


失敗が多いほど、絆は強くなる。

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