私の未来が見えないので、軽く日本の未来を占ってみたら、予想以上にハードモードだったというか、日本の未来がディストピアでした。

しゃもこ

日本はもうすぐリアルにディストピア?

 元占い師の私には、日本の未来が勝手に視えてしまって困っている。

 別に視たくて視ているわけじゃない。


 ある日、私の未来が見えないので、自分で自分の未来を占おうと思ったときに、ついてだから、日本の未来を見てみようと思ったのだが、日本の生年月日がわからないので、諦めた。


ばかばかしい。

しかし、見なくてもわかる。


 この国で生きることは確実にハードモード寄りになった。このまま進んで行けば、特に地方は、リアルにディストピア的世界線が待っている。


 コンクールでディストピア作品が流行るのも当たり前だ。


 だって、「ヤバくない?」レベルの出来事が、現実のほうからどんどん寄ってくるのだから。


え? 

そうなの?  

例えば?


 そう思った皆様のために、具体例を挙げて説明しよう。


 例えば、かつて私が働いていた学校の統廃合。

 4校を1つにまとめるという、なかなか乱暴なやり方だ。そのほうが学校運営経費がかからないから。


「統廃合」ってお上はさらりと言うけれど、実質あれは地域解体宣告である。


 当然、それぞれの地域は反対した。地域によっては、その学校がその地域唯一の公的機関だったりする場合もあるからだ。


 でも、実施された。仕方ない。弱小地区如きに血税の無駄遣いをするわけにはいかないのだから。


 自己責任。

 この国はこの言葉が大好きだ。


 そこに住むのを決めたのはあなたでしょ?

 だからあなたが自分で何とかして?


 ちなみに、その地域のうちの1つは、とある宗教団体のお膝元で、宗教上の理由で自家用車を持たない家庭も少なくない。


 自己責任。


 そして、その地域の学校から最も遠い家までの距離は、約20km。


 20kmってヤバくない?

 何なら遠足だ。


 RPGなら学校に着くまでにスライムくらいは確実に出てくる距離。


 リアルだとシカやイノシシは確実に出る。サルも出る。運が悪ければクマだって出る。


 都会の人はこう言うだろう。

「え、スクールバスは? 当然あるでしょ?」


 残念だが、ない。

 そんな予算、地方にはどこにもない。


 だから今いる子供たちは、通学のためにこの地に残らない(寄宿する)、もしくは学校に行かない、もしくは超遠距離通学(家庭の事情によっては徒歩も含める)をする、の恐ろしい三択をすることになる。


 どれもなかなかの悲劇だ。


 でも、日本人のすごいところ、というか怖いところは、この異常な状況に「まあ、そんなもんですよね」と慣れてしまうところだ。


 徒歩2時間?普通でしょうみたいな。


 危機に慣れる国民性というか、「かなりギリギリでも笑顔で耐える」みたいな特殊スキルがデフォルト装備されている。


 それが日本人。


 だから地方は、この状況を受け入れてしまう。

 結果、子供たちは義務教育を終えたら確実に街に出る。進学にせよ、就職にせよ。


 そして誰もいなくなる。


 そんな地区に誰が住む?

 この地区は、やがて滅びるだろう。


 感覚的には、イベントムービーも警告もなく、ただ淡々と崩れていく。

 RPG風に言うなら、「◯◯村が消滅しました」とだけ表示されるタイプの滅び方。


 これが地方のリアルだ。


 地方在住の方は、本当は薄々気づいているはず。

 ただ、見て見ぬふりをしているだけで。


 最近、空き家増えてない?

 近所、お年寄りしかいなくない?

 竹に侵食された山、増えてない?

 なんなら民家の裏まで竹が迫ってない?

 耕作放棄地、増えてない?

 ハクビシン、見かけるよね?

 街中のモール、空き店舗だらけじゃない?


 いろいろヤバくない?


 これ、全部フラグ。


 実はこのあたりは、占い師時代からよく相談されてきた。

「ど田舎住みだけど、未来どうなるんですか?」みたいな。


 残念ながら、今の日本では生まれ育った土地が、人生のチュートリアル難易度を勝手に決めてくる。


 都会か、田舎か。

 これ、どっちがハードモードかはもう説明しなくても分かるよね?


 わからない人は、1週間ぐらい田舎に住んでみたらいいと思う。分かるから。


 というわけで今日は、自分の占師廃業の未来予知だけはできなかった元占い師が、日本の未来を視てみたらこうなりました、という話をしようと思う。










  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る