第38話
桃華からの突然すぎる告白。
「えっ!? 私をですか!?」
新菜は驚きを
飛鳥が桃華によってがっちりと握られた新菜の手を、新菜と桃華の手首を持ってやんわりと引き剥がした。
そして、声を荒らげる。
「いやいや、なんで新菜さんなんですか!? 好きになるなら俺じゃないですか?」
予想外の言葉に桃華は目を見開いた。
「ハア!? アンタ、私に好きになってほしいワケ!?」
「いえ、全く。ただ、積極的にコミュニケーションを図って色々協力してきた俺じゃなくほとんど話したこともなさそうな新菜さんを好きになったのはなんでですか?」
「なんでそんなしつこいのよ!? やっぱ好きになってほしいんじゃない!」
「好きになってほしくはないですけど、まず俺を好きになるのが筋でしょう。告白されたうえで振って、それから新菜さんを好きになるなら許せます」
「面倒くさっ……見てみなさいよ、指宿さんの顔!」
ハッとして飛鳥が新菜の顔を見ると、新菜は眉間に
「……いや……なんていうか……その……」
急に桃華が恋のライバルに浮上したことで少なからず、動揺したあげくの言動ではあったが、今さら冷静になったところで、新菜の前で醜態を晒したことを取り消すことはできない。
──すると。
「プッ……アハハハハ」
新菜はコロコロとした弾むような声で笑いはじめた。
「なにそれ……親切にしたのに好きにならないのはどうしてって……そんなこと気にする? 気にしてても言わないよ、普通。アハハハ、可笑しい」
新菜は余程、笑いのツボにはまったらしく、しばらく笑っていた。
無邪気な新菜の様子に、飛鳥と桃華は可愛い、と心の中で呟いた。
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