第8話 オトリ大捜査線
「あーん、また負けちゃったあ!」
「アンナちゃん弱いねえ。そんなんじゃ良いカモにされちゃうよお?」
「もうされてるぅー!」
「あはは!自覚あるんだあ」
「でもアンナぁ、くやしぃからいっつもぜーんぶ使っちゃうんだぁー。」
「俺もねぇ、ぜーんぶ使うまで負けは認めないんだよぉ?」
「タクトくんは強いでしょお?」
「まあねぇー。アンナちゃんってホントギャンブル好きなんだねぇー。」
「じゃないとこんな所来てないってぇー!あはは」
「だよねぇー。でも俺はもっとスリルある方が好きかなあ。ここだと一回のベットに上限も決められるし。」
「へぇー!ここも裏だと思ってたけどぉ、もっと凄い所あるのぉー?」
「知りたい?」
「知りたあーい!」
「こんなルーレットやカードなんかじゃ無くてねぇ…もーっとスリル有るんだよー!」
「えー!?どんなどんな!?」
「人間使うんだよー。」
「わかんなーい」
「じゃあねえ…ちょっとだけ見せたげる。人間ダービー」
「えー!?コレ何してんのお!?やだあ、エッロー!」
「ふふふ。女の子の口に突っ込んでねー、誰が先に出せるか賭けるんだよー。この後も色々ヤるんだけどねー。この最初のジョッキー実は俺ー!」
「やだあ。エロいー!」
「んでねー、俺1着大穴ー!顔に掛けちゃったあ!賭けなだけにー」
「もー!バカァ!あはは」
「各部門1着なると配当金貰えるんだよー!」
「美味しい思いしてずるーい!」
「何たって俺、太客だからねー!普通は中々ジョッキー出来ないんだからねー!」
「えー!もしかしてタクトくんって凄いお金持ちだったりするー!?いいなあー、行ってみたーい」
「それはどうかなあ…ふふふ秘密ー!でも紹介無いとココは入れないかなあ。」
「なら私もどっかスリル有るとこ連れてってよぉー!」
「いいよー。今度は解体ショーやるけど来るー?」
「えー!?何それぇ」
「失神するまで何分持つか賭けるんだあ。腹裂いてー。こーゆーの平気ぃ?」
「凄ーいゾクゾクするぅ!行きたあい!」
「おっけー!ピタリ賞金額凄いからね!楽しみにしてて!また日時決まったら連絡したげるー!」
「わあ!楽しみぃ!」
○○○○○○○○○○
「お疲れ様、アレンちゃん、どうだった?」
「寺元拓人はクソ野郎って事はハッキリ分かりましたよ。」
そう不機嫌そうに言い捨てながらウィッグを投げ捨てていた。
「でも女の子って凄いね。メイクで別人になっちゃって…」
「まあ、高木組の裏カジノなんで用心はしないと…一応昔関わり有ったし。」
「だねえ。バレないか俺ヒヤヒヤしてたけど。」
「散々良いように使われてたんで、怖いなんて思う前に一泡吹かせる事しか頭に無いですよ。」
「やっぱりアレンちゃんは逞しくなったねえ…」
「どん底見て来たんで。」
「で、どうだった?」
「はい。まんまとタクトは引っかかりましたよ。次の賭けに誘われました。ただ、これちょっとヤバいかもです。」
「どんな?」
「解体ショーって。多分生きたままの人間の腹捌いて何分持つか賭けるみたいです。」
「相変わらず胸糞悪いことやってんなあ…」
「どうします?」
「そうだなあ。一応広瀬にも伝えとく。何とか捌く手前で突入して貰うよう頼んどく」
「でも、タクト達が賭ける絵は必要ですよ?」
「だな。そこまでさせないと意味ないからな。最悪の事態を想定して救急車も待機させといて貰う。」
「分かりました。私はなんとかうまい具合に映像撮ります。」
「小型カメラは何台か付けるから。イヤリングとブローチと時計と鞄に仕込んどく。指示は小型のイヤホンに梟介くんから来るから。危なくなったらすぐ逃げる事。」
「はい、了解です。」
「今回ばっかりは女の子じゃないと近づけないから助かったよ。ゴメンね危険な目にあわせて」
「いいえ。私も受け付け以外やりたいんで。こっちからお願いしましたし。」
「でもホント助かった。俺が近づいたら絶対逃げ出すよなアイツ。弱っちそうだし。」
「荒木さん、自分の顔が怖い事は分かってるんですねえ。」
「そりゃ散々言われて来たからね。嫌でも思い知るよ」
「まあ寺元拓人…絵に描いたような政治家のバカ息子の次男ですねえ。」
「全くね。」
「でも今回はこの色々な偶然のおかげで救われる人も多そうですね。」
「だね。元々はこの違法カジノでカモにされた依頼からの調査だったからね。」
「その顧客に寺元拓人…前の田村さんの件で親のコネで上手くもみ消されて逃げられて今ものうのうとカジノ三昧…からの三田さん…」
「三田さんには派手に記事にして貰う為にも俺達も頑張らなきゃね」
「ですね…」
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