Episode7 天使の旋律

リヨンは不安そうにトロアについて行くと1軒の小さな家が見えてきた。おそらくトロアの家だろう。


トロア「ここが俺の家だ。中にいる、入ってくれ」


リヨン「私が、ですか…?」


トロア「そうだ、いいから来てくれ」


リヨンは恐る恐るトロアの家に入った。そこには病気で苦しんでいる1人の男性がいた。リヨンは思わず足が地面とくっつけられたように動くことが出来なかった。


トロア「さぁ、君の歌で彼を元気にしてくれ」


リヨンは決心したかのように歌い出した。


リヨン「……♪♪」


トロア「よし、いい感じ」


リヨン「…!よし…!」


リヨンは続けて歌った。


リヨン「〜〜〜♪♪♪」


歌い終わるとトロアは今まで見たことないくらい笑顔でリヨンに目を向けた。


トロア「ありがとう!リヨン!」


ションソン・デ・ラ・レナイサンスはションソン・デ・ラ・モーンと同じで聞いてから3日で効果が出てくると言われている。


リヨン「本当に私の歌で人を救うことができるのでしょうか」


リヨンはそう思いながら自分の家に戻った。


一方でコムロとジョンたちはリヨンが歌を歌っている間、操作を続けていた。


コムロ「ジョン、なにか手がかりは見つかったか?」


ジョン「このような本を見つけました!」


コムロ「ションソン・デ・ラ・レナイサンス?」


ジョン「さっき少し見てみたのですが、どうやらションソン・デ・ラ・モーンの反対みたいです!」


コムロ「なるほど。リヨンがなにか知っているかもしれない。もう一度聞きに行こう」


ジョン「わかりました!」


コムロたちはもう一度リヨンの元へ尋ねた。

コムロたちがリヨン邸に向かうと、少し慌ただしい雰囲気をかもし出していた。


コムロ「執事さん。なにか慌てているようですが、どうかなさったのですか?」


執事「リヨン様が行方不明なのです…」


ジョン「本当ですか!?」


執事「えぇ、私が夕食の準備に買い物へ行っていて帰ってきたらいなくて」


コムロ「ただでさえ広いお家です。もしかしたら目の行き届いていない場所にいる可能性があります」


執事「それがもう部屋の隅々まで探していまして」


コムロ「わかりました。貴方たちは引き続きお家の捜索をお願いします。私たちは周辺を探してきます」


執事「ありがとうございます」


コムロ「ジョンはそっちへ行ってくれ。俺はこっちに行く」


ジョン「わかりましたー!」


こうして執事達、コムロ、ジョンはリヨンを探した。


1時間後

コムロ「…!もしかしてあれは…!」


リヨン「人助けっていいですわね」


コムロ「リヨンさん!」


リヨン「あら、あなたは先程のお方?」


コムロ「コムロと申します。以後、お見知り置きを」


リヨン「コムロさん、私にご用事ですか?」


コムロ「執事さんがあなたを探してましたよ。今すぐお家の方へ戻ってください」


リヨン「まぁ、そんなことが。わかりました。すぐに帰らせていただきます」


リヨンは急いで家の方へ戻って行った。





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