空調から盗まれたクレジットカード - 聖夜の悪夢
SFCA
プロローグ:ブラック・クリスマス
2013 年 12 月 20 日。
東京の街はクリスマス一色に染まっていた。
大手スーパーマーケットチェーン「ShopMart(ショップマート)」のレジも、プレゼントを買い求める客で長蛇の列ができている。
「ありがとうございました。カードをお返しします」
店員の笑顔。
客は満足げに店を出る。
だが、彼らは知らなかった。
レジでカードを通したその一瞬、彼らのクレジットカード情報――番号、有効期限、セキュリティコード――が、目に見えない「スキマー」によって抜き取られていたことを。
それは、物理的なスキミング装置ではない。
レジの中にあるコンピュータのメモリ(RAM)に巣食う、凶悪なマルウェアだった。
被害件数、4000 万件。
日本の人口の 3 分の 1 に相当するカード情報が、闇市場(ダークウェブ)へと流出しようとしていた。
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