ヘリウムの水公理

FUU.

第1話 水の生命体

【episode1】


この世には

混ざらないものがございます。

どの惑星の気体とも。

どの生命の熱とも。

漂い、交わらずに存在する。


一人の王子はその法則を疑いました。

その対象は———


______________________________


ヘリウム王子「お父様」


☀️「なんだ」


ヘリウム王子「地球の生命体Homo sapiens♀と

お近づきになってもよろしいですか?」


☀️「は?」


ヘリウム王子「私を待っているのです」


☀️「地球とは、これはまた……

しかも個体にか。まあすきにしろ(失笑)」


______________________________


ヘリウム王子「?」

🌎「……」

ヘリウム王子「入れない……」


地球の中の人間姫「ヘリウム王子

あなたに触れたい……!早く来て💫」


ヘリウム王子「……なぜだ?全く核へ近づけない」


🌎「……おい、俺の中に何か用か?」


ヘリウム王子「……話せたのか?中に入れろ」


🌎「俺に関わるなと言ったはずだ、ヘリウム王子」


ヘリウム王子「……私は地球では希少だろ?

少し分けてやる、入れてくれよ」


🌎「親が太陽だからと調子に乗っているのか?

私とお前は交われないのだよ。わかるか?王子。」


ヘリウム王子「Homo sapiens♀に会いたいんだ。……それかあの個体をこちらに寄越して欲しい。」


🌎「……では、少しお前の気を吸わせるか?」


地球の中の人間姫「ヘリウム王子…胸が苦しいの…あっ、苦しい、目眩が……」


ヘリウム王子「おい何をした?私の水の個体が……お願いだ、こっちに寄越してくれ!」


🌎「……(呆れ)」


______________________________


宇宙を徘徊中の王子


ヘリウム王子「……どうしたものか」


ヘリウム王子2「よお!液体マニア!」


ヘリウム王子「……どうしたら地球に入れるのか?」


ヘリウム王子2「俺ら

太陽うまれは一生無理かもな〜」


ヘリウム王子2「ちなみに、あいつは

地球から出てきたみたいだぞ!」


ヘリウム王子3「……あそこは、

私たちの生きる惑星ではない」


ヘリウム王子「……個体を見たか?」


ヘリウム王子3「見るも何も

……気づいた時には宇宙だ」


ヘリウム王子「おまえ……勿体ないな。人生で一度の個体の水を傍で見るチャンスだっただろ?!」

(ココでの個体の水→生命体)


ヘリウム王子2「あーはいはい、

でたでた液体オタク、向こう行こうぜ」

ヘリウム王子3「……ああ(困惑)」


______________________________


ヘリウム王子「あの個体、

私の気で苦しんでいる(ゾクッ)

分解されないのか?!平気なのだな?」


🌎「あの個体の核となる

熱を逃がさぬうちは大丈夫だ」


地球の中の人間姫「ヘリウム王子……あなたを

感じて、嬉しいです、苦しいです…………」


ヘリウム王子「おい、あの水の個体から

響く周波も良いな、どこから出している?」


🌎「…………」


ヘリウム王子「やはり近くで見たい……」

地球の中の人間姫「私もあなたを近くで感じたい……」


ヘリウム王子「もう少し私の気を送りたい、感じるか?」

地球の中の人間姫「苦しいほどに、伝わっております……」


🌎「あんまりやると

王子の嫌いな"分解"されてしまうぞ」


ヘリウム王子「……では、

水の個体に何を与えればいいか?」

ヘリウム王子「もっと水の周波を感じたい、

あの個体のだ、どうすればいい?」

ヘリウム王子「おい、聞いてるか?」


🌎「そんな俺の中の物質に

執着してる王子はお前だけだぞ」


🌎「同じような物質で🦌や🦍や🐿や🐈に

なんでもいるぞ。全て触れられないがな。」


ヘリウム王子「……それらC・H・O・N・Ca・P…………は私を求めているか?それに周波が不快だ」


🌎「……ほう?同じではないと?」


ヘリウム王子「お前には同じに聞こえるか?」


ヘリウム王子2「……ごめん盗み聞きしてたわ!」


ヘリウム王子2「まじかお前www液体マニアだとは思っていたが、まさか周波までマニアだったとはな!」


🌎(……はぁ、王子の粒子が来た)


ヘリウム王子2「ごめんな〜!こいつが毎回地球に付き纏ってさ!液体マニアだから許して!なっ!」


ヘリウム王子「……おい、

お前は同じに聞こえるか?」


ヘリウム王子2「え?まあwww」


ヘリウム王子4「僕は周波数なんて

気にしたこと無かったなぁ〜、賢いね〜」


ヘリウム王子3「どの惑星も似たようなものだろ、強いていえば……」


ヘリウム王子「では、お前は?

さっきは聞きそびれた。」


🌎「……少し怖いぞ王子、

哺乳類 爬虫類 昆虫類 魚類で多少異なれど

基本同じだ、聞き分けるまでもない。」


ヘリウム王子2「俺も試しに

話しかけてみようかな〜w」


🌎「……」


ヘリウム王子2「おーい!物質!」


地球の中の人間姫「……!、ヘリウム王子!

もっとあなたの気が欲しいです。

苦しくなっても構いません!」


ヘリウム王子2「え?俺?俺の気〜?

He君の中に送り込んでいいってこと?w」


地球の中の人間姫「ヘリウム王子のものなら

構いません……!ひとつになりたいの!」


🌎(おや……?)


ヘリウム王子2「へぇ、じゃあどうぞ(俺のHe)」


地球の中の人間姫「……っ、あなたを感じます、とても…でもいつもより気が強いですわ……もう少しお手柔らかに……はぁはぁ、王子……」(酸欠)


ヘリウム王子2「……まってwww」

ヘリウム王子3「なんだ?」


ヘリウム王子2「わかるか?www

この物質何も気づいてないなwww」

ヘリウム王子3「あぁ、どれも同じなんだろう」


🌎「………」


ヘリウム王子4「に、似てただけだよきっと!

たまたま!試しに僕が!(姫にHeを送る)」


地球の中の人間姫「れ、連続で……!!あなたの愛伝わりましたわヘリウム王子、焦らさず、触れさせてくださいませ……♡お願いです……」


ヘリウム王子4「……わぁぁ」


ヘリウム王子2「やばこの物質www

俺たちの見分けついてないのなwww」


ヘリウム王子4「えーとえーと💦」


🌎「…………」


ヘリウム王子「……おい」


ヘリウム王子「君は私が分からないのか……?」


地球の人間姫「分かります、

見えなくとも気で感じておりました。先程も沢山の気を与えてくださいました。苦しくともあなたが近くにいるようで幸せでございます♡」


ヘリウム王子「そうか」


🌎「わかったか王子、お前だけだ。

個として認識しているのは。そういうことだ。」


ヘリウム王子3「まあそんなものだろ、

私達気体の区別など付くわけもない」


ヘリウム王子「……それは、なぜだと思う……?」


ヘリウム王子3「……」(眉間に皺)


ヘリウム王子2「だーー!諦め悪いなお前は!

別の液体で実験すればいいじゃん!

ここには同一個体いくらでもいるんだもんな?!」


🌎「そろそろ、俺の中で遊ぶのはよせ。」


ヘリウム王子「私はあの個体がいいんだ

……何か交わる感覚がある」


🌎「……貴ガスのお前が生命とは

交わえないのだよ。まだ分からないか?

酸欠でいずれ分解されるだけだ。諦めろ」


ヘリウム王子「なんだそれは?なぜ私が交わると分解される?ふざけているのか?」

ヘリウム王子「ではなぜ水の個体は

私の気を受け、なお分解されていない?」

ヘリウム王子「そうか、私の手を

引かせようとしているのだな。」


ヘリウム王子4「……君の気持ちもわかるけど

(分かってない)、無理なんだよ……帰ろうよ」


ヘリウム王子「納得できないのだ。

なぜ?私たちは混ざりあえないのか?

お前は考えたことはあるか?」


ヘリウム王子4「…えぇ💦そんな、わからないよ……」


ヘリウム王子「………それに、

出来ぬならなぜあの個体は私の気を吸えたのか?

それは、やはり 交わえるという事だ。」


ヘリウム王子「…違うのか?」


ヘリウム王子2「俺帰る〜」

ヘリウム王子3「……聞いてられない」


ヘリウム王子4「えっ?!えっ?!…君も行こうよ、ね!ほら!」


☆一旦強制退散☆

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る