第19話 悲しみの兵器計画

 ガラス越しの都市は、今日も静かだった。


 窓の下。

 整然とした通勤経路。

 規則正しく移動する灰色の列。

 歩行者のE-Indexは、どれも許容範囲内に収まっている。


 ここから見える限り、この都市には「悲しみ」は存在しない。


 シグは、会議室の片隅に立っていた。


 情動保安局・本部棟。

 幹部用会議室。


 壁の一面がスクリーンになっている。

 中央の長机には、局長クラスの人間たち。

 向かい側には、白衣の一団。

 研究部門の人間たちだ。


 その中に、見覚えのある顔がいた。


 更生施設の研究ユニットでユイに話しかけていた男。

 名乗りもしないまま、淡々と彼女を「悲しみの核」と呼んだ男。


 今は、ホログラムのグラフを背に立っている。

 彼の背後で、都市の断面図と波形が重なって揺れていた。


 「以上が、本日の“中枢不正アクセス事案”及び、その後の収穫の概要です」


 男が滑らかに締めくくる。


 会議室の空気は、静かで、冷たい。


 机の端に置かれたタブレットには、簡単な要旨がまとめられていた。


 《報告事項》

 ・中枢データ室への不正アクセス検知

 ・情動保安局鎮静官 SIG-07 による現場介入

 ・協力者Yの拘束

 ・被験体YよりSadnessコアの抽出に成功


 協力者。


 (拘束してコアまで抜いておいて、その呼び方か)


 シグは、無表情を貼り付けたまま、内心だけで呟いた。


 収穫、という言葉と並ぶと、余計に冷たく響く。


 「……協力者、とありますが」


 幹部席の一人が、静かに口を開いた。


 五十代。

 髪に白いものが混じった男。

 シグにとっては何度か命令を受けたことのある上司だった。


 「そのYという個体は、保安局登録上は下層Redですよね?」


 「形式上は」


 研究者はあっさり認める。


 「ですが、今回のアクセスには局内タグが用いられていました。

  “SIG-07 Q”──鎮静官シグ氏の問い合わせタグです」


 視線が一斉にこちらに向かう。


 シグは目を伏せずに受け止めた。


 「現場での判断です」


 短く答える。


 「不正アクセスの真の意図を確認するため、あえて中枢側に問い合わせを飛ばしました。

  結果として、ログの流れと協力者Yの素性、研究部門との結節点が浮き彫りになった」


 形式上は、そういう報告になっている。


 実際には──。


 (あの子の悲しみのログを、俺が中枢に流したことになる)


 そう言葉にしてしまえば、あまりにも皮肉が強すぎた。


 「誠実な解釈ですね」


 研究者が、薄く笑う。


 「いずれにせよ、あなたのタグがなければ、

  我々のSadnessコアも、もう少し時間がかかったでしょう」


 「褒められている気がしないのは、職業病でしょうか」


 シグは皮肉で返す。


 幹部が軽く咳払いをして、話題を切り替えた。


 「……では、肝心の“そのコアをどう扱うか”の議題に移りましょう」


 スクリーンのグラフが切り替わる。


 Eruptionの元波形。

 かつて都市全域を舐めるように広がった集団暴走の記録。


 その上に、新しい線が重ねられる。


 ユイのSadnessコアの波形。

 深く、長く、ゆったりとした谷。


 都市OSの声が、天井スピーカーから落ちてきた。


 「相関係数、零点八二。

  旧来の悲哀誘発試験に用いられてきた波形との一致率を上回ります」


 冷たい合成音。


 シグのこめかみが、ゆっくりと痛み出す。


 「旧世代の悲哀誘発試験は、制御の粗さゆえに多くのサンプルを失った」


 研究者が続ける。


 「ですが、今回のコアは安定している。

  波形の立ち上がりと減衰が滑らかで、閾値管理もしやすい」


 「君の部署の言葉で言えば──

  “制御しやすい危険物”というところでしょうか」


 誰かが喉の奥で笑った。


 笑い声は、すぐに空調音に紛れて消えた。


 ◇


 スクリーンには、三つのシミュレーションパターンが表示されていた。


 都市断面図。

 Calm、LOW、工業ベルト、学齢、未登録──。


 レイヤーごとに色が変わり、Sadness波の強度が数字で示されている。


 パターンA:

  全階層に均等に低いSadnessを散布。

  「全体的な行動エネルギーの抑制」。


 パターンB:

  Calm層にのみ中程度のSadnessを集中。

  他の階層はほぼゼロ。

  「支配層へのフィードバック観測」。


 パターンC:

  LOWと下層Redに高濃度Sadness。

  Calmはゼロ。

  「暴動誘発&鎮圧口実」。


 都市OSの声が、それぞれのパターンに数値を添える。


 「パターンA:

  全体の暴力犯罪率・違反発生率、最大三二パーセント減少予測」


 「パターンB:

  Calm層における政策同調率、最大一八パーセント上昇予測。

  同時に、他階層の行動パターンへの影響は低率に留まる見込み」


 「パターンC:

  下層Red/LOW区域での集団行動ノイズ増加。

  戒厳令発令の口実として利用可能」


 幹部たちの目が、スクリーンに釘付けになる。


 数字は、いつだって説得力を持ちすぎる。


 (“暴力犯罪率”“同調率”“検挙率”……どの項目も、

  結局は“どれだけ人間を管理できるか”の言い換えだ)


 シグは、胸の奥でひっそりと毒づいた。


 パターンAは、街全体を薄い灰色に塗りつぶす案。

 パターンCは、下層だけを真っ黒に染めて、あとは高みの見物を決め込む案。


 パターンB。

 Calm層だけ。

 静穏市民。

 追悼の痕跡が存在しない街。


 シグは、Calm層の街並みに追悼碑も墓地もないことを、現場で何度も見てきたのを思い出す。


 ◇


 「……まず、パターンAは論外だな」


 局長格の男が口を開いた。


 「Eruption級のリスクが高すぎる。

  数字通りなら“最も効率的”なんだろうが、政治的に持つわけがない」


 別の幹部が頷く。


 「全層一律の負荷は、どんな名目をつけても正当化できん。

  Calmまで巻き込んで街全体が止まったら、誰も責任を取れない」


 「そこへいくと、Cは下だけだ。

  RedとLOWが揺れたところで、柵を立て直せば済む話だ」


 室内の空気が、Aの行からそっと離れていく。


 視線が、自然とBとCの行に集まる。


 研究者は、迷いのない口調で続けた。


 「パターンBは、新しい試みです」


 「現在の都市構造において、痛みの大半は下層に偏在している。

  上層は、喪失や追悼の経験をほとんど持たない」


 シグのこめかみの痛みが、少し増した。


 「そこに、制御された悲哀波を落とす。

  支配層に“かすり傷程度”の痛みを与え、

  統治構造のフィードバックを測る」


 「我々、研究部門としては──

  長期的にはBが最適だと考えています」


 「痛みの偏在を少しずつならし、

  全体としての暴発リスクを下げられる可能性がある」


 都市OSが淡々と補足する。


 「シミュレーション上は、Calm層への限定投与は、

  Eruption級イベントに繋がる確率を八五パーセント削減します」


 数字だけ見れば、合理的な案に見える。


 だからこそ、厄介だった。


 しかし、最初に口を開いたのは別の幹部だった。


 「……Calm層に“意図的に痛みを与える”という発想自体、

  上は受け入れないだろう」


 「彼らにしてみれば、

  なぜ自分たちが“試験対象”にならなければならないのか、という話になる」


 別の幹部も、露骨に顔をしかめた。


 「上層の機嫌を損ねてまでやる価値があるのか?

  暴力犯罪の大半は、いまだに下層から発生している」


 「なら、その下層に感情波を集中させ、

  揺れたところを鎮圧するほうが、よほど分かりやすい」


 その言葉の行き先は、自然とパターンCに向かっていた。


 研究者は、そこを待っていたかのように指し示す。


 「パターンCは、従来の運用と親和性が高い案です」


 「下層RedおよびLOW区域にSadnessを集中的に投与する。

  行動ノイズが増えれば、

  保安局による“治安維持措置”の正当化に利用できる」


 都市OSが、数字を添える。


 「下層Red/LOW区域における集団行動ノイズ、最大四一パーセント増加予測。

  同時に、Calm層のE-Index変動は最小限に留まる見込み」


 局長が、短く息を吐いた。


 「……つまり、今までやってきたことの“強化版”というわけか」


 「はい」


 研究者は微笑む。


 「政治的にも通しやすい。

  “危険区域への重点的なケア”という建前も立てられる」


 「ケア、ね」


 誰かが、聞こえるか聞こえないかの声で呟いた。


 ◇


 「反対意見は?」


 局長が視線を巡らせる。


 会議室の空気が、少しだけ動いた。


 シグは、呼吸を整えてから口を開いた。


「……パターンAに関しては、私も同意見です」



 まず、全員の前提とズレない位置から入る。


 「全階層への一律投与は、Eruptionの再現リスクが高すぎる」


 「ただ」


 言葉を区切る。


 「パターンCも、“安全”とは言い切れません」


 幹部の視線が、少しだけ鋭さを帯びる。


 「根拠は?」


 「先日起きた“小規模混乱”の事故ログを参照しました」


 シグは、自分のタブレットを軽く持ち上げる。


 「施設内でカセットが破損したときの記録です。

  たまたま漏れた未調整波が、一室の空気を一瞬で変えました」


 「暴動には至らなかったが、

  そこにいた全員のE-Indexが、一時的に許容値を大きく超えた」


 都市OSが、補足を被せる。


 「事実です。

  局所的な事故であっても、波形強度が一定値を超えれば、

  集団行動に大きなノイズを生みます」


 シグは続ける。


 「今度のパターンCは、すでに負荷の高い下層に、

  さらにSadnessを集中させる案だ」


 「E-Indexの基準値が高い区域にだけ、

  意図的に“沈む波”を落とす」


 「下層でのEruptionリスクが、

  本当に従来より低いと言い切れますか」


 研究者は肩をすくめた。


 「だからこそ、保安局がいるのでしょう」


 「集団行動ノイズが増えれば、

  それを名目に戒厳令を敷き、Red区域を再編成できる」


 「リスクはゼロではありませんが、

  それもまた“制御の一環”です」


 「AのようにCalm層まで巻き込むわけではない。

  燃えるのは、もともと危険区域とされている部分だけです」


 「“今までと同じ”を続けた結果がどうなったかは、

  現場のあなたが一番ご存知では?」


 シグは口を閉ざした。


 都市OSが淡々と告げる。


 「パターンC:

  下層Red/LOW区域における違反検挙率、

  試験実施後、短期的に二四パーセント上昇予測」


 幹部たちの視線が、数字に吸い寄せられる。


 「検挙率が上がるなら、

  予算も取りやすいな」


 誰かが、あっさりそう言った。


 ◇


 局長が、決定を告げた。


 「パターンAは却下する。

  全域放出は、どんな理屈をつけても危険すぎる」


 「パターンBは……」


 わずかに間があく。


 「理論的には興味深い。

  長期的なリスク低減には役立つかもしれん」


 「だが、Calm層を“試験対象”にするタイミングではない。

  上層の同意は取れまい」


 「この案は“いつか”だ。

  上の連中が自分たちの番を認める日がくればな」


 スクリーン上のBの行に、“参考シナリオ”のラベルが付く。


 「当面はパターンCを採用する」


 局長の声が、会議室を満たした。


 「下層のノイズを利用し、

  治安維持と統治の正当性を再確認する」


 スクリーン上のCの行に、決定印が押される。


 都市OSが淡々と繰り返した。


 「Sadness運用プラン:C 案 採用。

  TargetLayer:LOW/Red。

  Calm層:対象外」


 シグの胸の奥で、何かがきしんだ。


 ◇


 会議が終わり、人々が席を立ち始める。


 スクリーンの光だけが残されて、徐々に暗くなっていく。


 都市OSのインターフェイスが、最後の確認を行った。


 「Sadnessコア一覧、表示」


 壁面の一部に、ラベルのリストが現れる。


 S-Core_01 / Subject:Y-*** / Emotion:Sadness / SendOption: C(下層集中) / TargetLayer: LOW/Red

 S-Core_02 / Subject:Y-*** / Emotion:Sadness / SendOption: C(下層集中) / TargetLayer: LOW/Red


 そのすぐ下に、小さな行がある。


 参考シナリオ_B / TargetLayer: Calm / Status: Pending


 研究者が、わざとらしくそこには触れずに画面を閉じる。


 シグは、その行から目を離せなかった。


 あの地下の実験室で、

 装置に繋がれていた少女の姿。


 彼女のバンドの波形が、悲しみに反応して跳ね上がっていた光景。


 それらすべてが、今ここでは一行のコードと数字に置き換えられていた。


 都市OSが、無機質な声で付け加える。


 「Sadness_S-Core_01:パターンC適用時、

  下層Red/LOW区域における集団行動ノイズ増加、および

  鎮圧プロトコル発動頻度上昇が予測されます」


 誰かが満足げに息を吐いた。


 会議室の扉が閉まり、

 シグはひとり取り残された。


 ◇


 静かな部屋。


 窓の向こうには、さっきと変わらない灰色の街が広がっている。


 シグは、自分のタブレットを開いた。


 Eruptionのログ。

 旧世代の悲哀誘発試験の記録。

 「サンプル喪失率」という冷たい数字。


 それを見たときの、十代の自分の無力さ。


 家族のひとりが、

 「治療」と呼ばれた実験のあとで、ほとんど別人になって戻ってきた日のこと。


 感情のほとんどを削がれ、

 残ったのは空っぽの目と機械的な返事だけ。


 それを見て、彼は決めた。


 (感情なんて、もういらない)


 あれほど人を壊すものなら、自分の中からも追い出してしまった方がいい。


 だから、鎮静官を選んだ。

 誰よりも低いE-Indexを保って、誰かの“波”を抑え込む側に回った。


 そうすれば、あの日みたいな壊れ方をする人間が、少しは減ると思っていた。


 しかし、今。


 スクリーンに映っていた計画は、

 あの日の地獄を、下層にだけ濃く塗り広げる案にしか見えなかった。


 「Redに感情を集中させて、揺れたところを潰す」


 言い方を変えただけだ。


 痛みの偏在を固定し、

 それを利用して統治の正当性を繰り返し上塗りする。


 タブレットの画面をスワイプする。


 ユイのSadnessコアのログが表示される。


 《Subject:Y-***》

 《Trigger: 家族(弟)/連行記憶》

 《波形属性:深度・持続時間・汎用性ともに高値》


 その下に、小さな文字があった。


 SendOption: C(下層集中)

 TargetLayer: LOW/Red


 さらに、その少し下。


 参考シナリオ_B: TargetLayer: Calm / Status: Pending


 「……宛先、決められたか」


 誰にともなく呟く。


 彼女の悲しみは、すでに“下層強化”の計画に組み込まれている。

 同時に、その波形は別の宛先にも送れる“参考シナリオ”として温存されている。


 下に落とすか、上に返すか。

 決めているのは、ここにいる人間ではなく、

 数値とOSと、統治の都合だ。


 タブレットを閉じ、別の画面を開く。


 《処遇検討ライン:対象一覧》


 その中に、見慣れた苗字があった。


 レン。

 ユイと同じ姓。


 「弟くんの処遇は、まだ“検討ライン”だ」


 研究者の声が、頭の中で反響する。


 「君のコアがどこまで使えるかで、向こうのラベルも変わる」


 レンの行には、まだ最終決定の文字は付いていない。


 だが、いくつかの選択肢が並んでいる。


 《減刑プログラムへの移行》

 《実験対象からの除外(条件付き)》

 《廃棄対象への移行》


 条件付き。

 その条件のひとつが、「YのSadnessコアの有用性」だと、

 さっきはっきり聞かされたばかりだ。


 (また誰か一人に、全部かぶせるのか)


 家族の代わりに。

 街の代わりに。

 統治の失敗の代わりに。


 今度は、ユイが「悲しみの責任」を負わされようとしている。


 ◇


 都市OSのインジケータが、小さく点滅した。


 《問い合わせタグ:SIG-07 Q》


 それは、中枢テーブルに打ち込まれたタグ。

 ユイが、自分の震える指で、画面に残した合図。


 「“俺宛ての荷物”って意味だ」


 あのとき、自分でそう説明した。


 まさか、その荷物が、

 彼女自身の悲しみと拘束を引き寄せるとは思っていなかった。


 いや、本当はどこかで予感していたのかもしれない。


 理由を探そうと思えば、いくらでもある。


 保安局の仕事。

 都市OSとの契約。

 Eruptionを二度と起こさないための合理性。


 それでも、今、シグの胸の中を占めているのは、

 数字や条文ではなかった。


 施設の廊下で見た、バンドの数値だけ不自然に跳ね上がる少女。

 声は抑えているのに、わずかに震えていた。

 顔は笑おうとして、うまく笑いきれていなかった。


 あの波を、「制御しやすい危険物」と呼ぶ声。


 家族を実験で失った過去と、

 今ここで、その痛みをさらに下に押しつけようとしている計画。


 どこまで目を逸らせば、

 自分はまだ「感情を憎む側」にいられるだろうか。


 その問いに、もう答えはなかった。


 ◇


 シグは、手首のバンドに触れた。


 情動保安局の鎮静官用バンド。

 一般市民のものより一段階厳しい閾値設定。

 常に低く安定した線を保つことが求められている。


 そのバンドの表示に、小さな揺れが生まれていた。


 《E-Index:微増(Anger/Sadness)》


 「……皮肉だな」


 自嘲気味に笑う。


 感情を憎んで、鎮静官になったはずなのに。

 今、自分を動かしているのは、

 どうしようもなく個人的な怒りと悲しみだった。


 タブレットの画面をもう一度開き、

 Sadnessコアのリストと、レンのラベルを見比べる。


 あの子の悲しみを、このまま“下層集中”の試験波として流すのか。


 痛みがもう十分に積もっている場所へ、

 さらに上から注ぎ足すように。


 「だったら今度は──」


 声にならない声が、喉の奥で形を取る。


 窓の外の、あまりにも静かな都市が、

 薄いガラス一枚の向こうで揺らぎ始めたように見えた。


 「俺が、この計画ごと止める」


 誰にも聞こえないように、ゆっくりと呟く。


 バンドの表示が、ほんの少しだけ跳ねた。


 《E-Index:上昇傾向(Anger)》


 都市OSのインジケータが、小さく点滅する。


 《監視担当:SIG-07 / 権限:現場介入可》


 公式のログ上は、

 彼は「Sadness運用パターンCの監視役」に過ぎない。


 だが、シグの中では別の意味に書き換えられていた。


 ──監視する。

  感情波だけじゃない。

  計画そのものを。


 そして、必要なら。


 ──壊す。


 窓の向こうの灰色の街は、

 何も知らないふりをしたまま、静かに揺れていた。

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