就寝前に一つ恐怖はいかがですか？

Web ライター

こんにちは、ライターのRです。

　突然ですが私の住んでいる街には不思議なエスカレーターが設置された雑居ビルがあります。

　皆さんがエスカレーターと言われて想像する形は、導線がはっきりしており視認性や誘導性を重視した形に設計されたものをだと思います。

　しかし、該当の雑居ビルの3階から4階へと上がるエスカレーターは、2階から3階にあがった後反対側に回って4階へ上がるエスカレーターに乗らなければならないという視認性や誘導性を度外視しした設計になっているのです。

　今回は、この変わったエレベーターの仕組みが一体いつからでどう言った理由でこうなったのか調べていこうと思います。

1. 類似のエスカレーターについて

　さて、まずは本題に入る前にこういった形のエスカレーターが他にも存在しているのか調べてみました。

　Twitterでフォロワーの方にアンケートをとったところ以外にも都心部なので見かけたことがあるという方が一定数いました。

　理由についても回答と同時に考えてくださる方がおり、「防犯上の理由」や「施設の設計上そうするしか無かったのでは」が上位の意見として上がりました。

2. 理由について

　さて、何の因果か私は先日友人の伝で知り合った方が偶然にもエレベーターやエスカレーターの業務保守を仕事としている方でした。

　今回のブログを書くにあたりその方にコンタクトをとり、謎の設計のエスカレーターについてなぜこのような形になるのかインタビューさせていただきました。

　曰く、施設の防犯上の理由ではないかということでした。

　通常よくあるデパートではワンフロアをいくつかのテナントに分け貸出を行い、いくつもの店舗がひしめき合う形で運営されるのが常です。

　しかしまれにひとつのフロアをひとつのお店が全てを借り受けひとつの大きな店として運営することがあるそうです。

　そういった際、視認性や誘導性を重視した構造にすると万が一万引き等が発生した際に、該当の人物を取り逃がす可能性が考えられます。

　そういったことを考慮し、あえて面倒くさい構造にすることで、防犯に役立てているそうです。

3. 疑問点について

　理由として「ワンフロアをひとつのテナントで回していくため」と上がりましたが、私が知る限り某雑居ビルではワンフロアをひとつの店舗で運営してる状況を確認したことがありません。

　現に某雑居ビルの3階は区画分けされており複数のテナントが入る状況で運営されております。

　※3階だけ異様にテナントの入りが悪い。

4. 起源について

　全ての疑問を解決するために雑居ビルの運営会社に問い合わせてることにしました。

　運営会社からの回答

・ビルのエレベーターやエスカレーター等を管理していた担当者は、数年前に退職しており現在の担当者ではいつこういった状態になったのかは分からないが少なくとも10年くらい経っていると考えられる。

・今後、ビルの運営状況によってはエスカレーターの流れを元に戻すことも考えているが今のところその方針はない。

　という回答が帰ってきました。管理会社の担当者が分からない以上手詰まりかと思いましたが、ビルの関係者なら何かわかるかもしれないと思い、古くから雑居ビル内で服屋を営業しているTさんに話を聞くことにしました。Tさんは、このビルができた30年前から雑居ビル内で服屋を営んでおり、ビルの内情については熟知していました。

　Tさんからの回答

・ビルができた当初は、3階から4階のエスカレーターは、他の階と同じような状態だった。

・ビルができてから2年ほど経った頃、ビルを利用した客が行方不明になる事案が多発した。

・運営会社が調査を行ったが根本的な解決に至らず、気づいた時には3階から4階のエスカレーターが今のような形になっていた。

　以上のような回答が帰ってきており、非常に現実的では無いが、何か心理的な瑕疵かしがあり、今のような現状になってしまったようだ。正直にわかには信じがたい話ではあるが、迷信や俗信など古来から、人々は説明がつかないものを神や妖怪など人ならざるものの仕業として考えてきた。つまり、ビルの運営会社は度重なるビル内での行方不明事件について、調査を実施したが犯人や行方不明者に関する証拠を何も見つけることが出来なかった。しかし、全ての行方不明者が最後に目撃されたのが3階もしくは4階のエスカレーター付近であり、エスカレーターに原因があると考えた。よって、事象の解決の試みとして、エスカレーターの流れを変更した。すると行方不明事件は発生しなくなった。

　大方こういうとこでしょう。

5. 行方不明事件の実態について

　県立図書館で行方不明事件が実際に起きていたかどうかを確認するため、事件が多発していたと考えられる時期を推定し、新聞記事の調査を行いました。これをもって、今回の記事の締めくくりとします。

　調査の結果たしかに該当の時期に複数回の行方不明事件が発生しており、件数として30件が記録されている。

その大半が某雑居ビルでの事件でした。

　記事内では、「平成の神隠し」などセンセーショナルな見出しで書かれており、当時かなり話題になったことが伺えます。

　雑居ビルは、新聞の取材に対して「鋭意調査中」とのみコメントしており、調査状況のわかるようなコメントや記事は見つかりませんでした。

　今後も該当事象に対して調査を行い、詳しいことがわかり次第、第2弾の記事として掲載します。

―――――――――注意―――――――――

　4階へ上がる際、もしくは3階へ下る際はエスカレーターを使用しないようにお願いいたします。

・エスカレーターの中から声が聞こえた際は、す

　ぐにエスカレーターから離れてください。

・菓子類をもってエスカレーターに近ずかないでください。

・黄色い服を身につけないでください。

・4階からエスカレーターを使って降りてくる男性 に近づかないでください。