第2話 天界学園 朝の時間
あなたの頭には悪魔と天使がいますか?
「ルーカ。起きるよ。学校に遅れちゃう。」エミはそう言った。
ルカはまだ寝ているようで、気付いてないようだ。
「遅れても知らないよ。ていうか、悪魔だから気にしてない?」エミは呆れたように言って、部屋から出ていった。
10分後、ルカがやっと起きて、寝坊したことに気づいた。
「やっべ、遅れる。」すぐに支度をして、走っていった。町の中を走り抜けていき、スイスイと人を避けていった。ルカが走っていった先は天界学園。天使と悪魔の中で選ばれた、唯一地上にいくことを許されており、人の頭の中に入って議論をすることが許可されている。中学から高校生がいく場所である。二人は中学二年生だ。ルカは「偶然。たまたま入れた。」と言っており、エミはトップの成績で合格を果たしている。
「もうこれで遅刻3回目だからなー」そう考えながらルカは走った。もちろん羽があるので飛べるのだが、町の中で許可なく飛ぶのは禁止だ。
「あと2回遅刻したら退学じゃん。」そう思い出し、ルカは焦り始めた。「急いで着かないと。」焦って道路に飛び出したルカははっとなった。「これ。。。天界で車に当たったらどうなんの?」
「ルカ!」そう言いルカを突き飛ばしたのは学園の先輩のハヤトだった。
ハヤトはルカとエミの2年年上で、成績、スポーツが全て1位の完璧天使だった。ルカもエミも尊敬しているみんなが大好きな先輩だ。
「あ、先輩あざます。」たとえ先生でも先輩でもルカは敬語を使わない。悪魔だからだ。
「ルカちゃん、ちょっと命助けたんだからさあ、せめてちゃんとありがとうございますぐらい言ってよぉ。」そういう先輩を無視しながらルカは歩き出した。「うそうそ。学校一緒に行かない?僕も寝坊しちゃったんだけどここに来る途中でおばあさんを手伝ってたらもっと遅くなっちゃってぇ。えへへ。。。」
「ふん。行ってあげてもいいよ。」そう言いルカは先輩と歩き始めた。
「へー。ルカちゃんもうこのくらい経験値あるんだね。」
「エミの方がもっとあるけどな。」
「でもすごいよ。こんな短期間で合計たくさんの経験値もらってるし。」
「不幸か幸あれかはわからんけどな。」
「うーん。。。あ、学校着いたよ!」
天界学園はとても大きく、始めに200段ある階段を登らなくては中に入れない。
「毎朝いつもみんなゼーゼーしてると」ルカも友達に言っている。
「ちょっと、ハヤトさんとルカさん。遅刻ですよ。」門を見張っている天使がいった。
「すいません、おばあさんを手伝っていたら長引きしてしまって。カクカクしかしか。。」
「ルカさんも?」
「はい、僕が手伝ってと聞いて、一緒に手伝ったんです。」
「悪魔がね。。。ま、いいよ。今回は無かったことね。」天使はそう言い、門を開いた。
「先輩、助かったー。じゃ、授業に行ってきまーす。」そう言い、ルカは廊下を走っていった。
「廊下は走っちゃダメだよー」そう言い先輩も授業に行くことにした。「かわいいな。」そう呟き、急いで廊下を走っていった。
「ルカさん!遅刻です!ちょっと立ってなさい!」そう言われ、ルカは睨みながら下を出し、先生にまたしこたま怒られた。
「ルカさー 先輩と歩いてんの窓から見たよー。」
「いいなー」休み時間、ルカはクラスの女子に囲まれてた。ルカは少し照れくさそうに、女子を除けてエミの所に行った。
「エミ、ノート見せろ。」偉そうに言うルカをいつも通りにエミは接した。
「ルカ、他のみんなにも優しくしないとダメだよ。」そう言い、ノートをエミは渡した。
「助かったぜー エミ、絶対昼前には返すからな。」そう言い、ルカは机に戻っていった。
「ルカってなんか男前でちょっとかっこいいところあるよねー」そういう女子を聞きながらエミは教科書を開いた。
「ルカちゃんいる?」そう言いながらドアから顔を出したのはハヤトだった。
「きゃー ハヤト先輩!」そう叫ぶ女子をハイハイとハヤトは言い、もう一回聞いた。
「ルカちゃんいる?」
「ルカならあそこにいますよ。」そう先に言ったのはエミだった。
「ありがとう〜、ルカちゃんちょっとこっち来て。」そうハヤトは言い、ルカを連れていった。
席に座ったエミはため息をつき、呟いた。
「私の方が。。。」
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