第4話

あの日の午後から、日向翔太の視界には常に半透明のウィンドウが表示されるようになった。それは彼の身体能力、技術、特殊能力、そして周囲の人間さえも数値化して表示する、完全なチートツールだった。

【主人公:日向 翔太】

| 項目 | ステータス | 備考 |

| :--- | :--- | :--- |

| 身体能力 | SS+ | 異次元跳躍が常態化 |

| バスケ技術 | F-G | 全てにおいて経験不足 |

| 特殊能力 | 異次元跳躍(Lv.1)、バスケの神の血(ロック中) | |

「……これをゲームだと考えれば、俺は初期ステータスが身体能力に極振りされた、とんでもない上級職ってことか」

翔太はそう自己分析した。

翌日、彼はケンジが所属する高校のバスケ部、城東高校の門を叩いた。廃部寸前ではないが、県大会の初戦敗退が常連の弱小チームだ。

監督の木村は、新入部員など期待していなかったが、ケンジの「コイツ、身体能力だけはマジでヤバいんです!」という熱意に押し切られ、渋々翔太の入部を許可した。

「じゃあ、日向。とりあえずランニングとストレッチだ。それから……」

木村監督が説明を続ける中、翔太は無意識に監督の頭上に現れたウィンドウを凝視した。

【人物:木村 猛(城東高校バスケ部監督)】

| 項目 | ステータス | 備考 |

| :--- | :--- | :--- |

| 指導力 | C+ | 理論は理解しているが実践経験に乏しい |

| 熱意 | B- | 部員のやる気に左右される |

| 特殊能力 | 『凡庸な理論家』 | トップレベルの選手を育てられない限界あり |

「うわ……指導力『C+』かよ。あんまり期待できねぇな」

翔太は心の中で毒づきながら、その日の練習に参加した。

1.2 SS級の身体とG級の技術

最初の練習は基礎体力測定だった。

垂直跳び:測定機器の限界値を超える。

50mダッシュ:陸上部顔負けのタイムを叩き出す。

シャトルラン:最後までペースが落ちない規格外のスタミナ。

監督と先輩たちは、騒然となった。

「おい、マジかよ!なんだ、このバケモノは!」

「身体能力はマジでSS+じゃねぇか……」

しかし、次に待っていたのは基礎技術の練習だった。

「よし、日向。次はハンドリングだ。ボールを腰の高さで突いて、両手の感覚を掴め」

翔太はボールを突いた。途端にボールは変な方向に弾み、勢いよく彼の顔面に跳ね返ってきた。

【イベント発生!】


{練習失敗!顔面にボールがヒットしました。バスケ技術の習得効率が一時的に低下します。}

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