第7話
大学生活も3年もすれば慣れてくる。
講義をうけ、バイトをし、それなりに出来た友人と遊びにいく。
恋はないが、それなりに充実した毎日だ。
しかし、楽しいモラトリアムにも終わりはくる。就活の始まりだ。
エントリーシートを何枚も記入し、提出し、お祈りが届く。
社会経験と思っていたコンビニバイトも企業からすれば掃く程いる応募者の1人にすぎない。
私は社会に受け入れられないのか、不安だけが募っていく。
今日も祈りがスマホを鳴らす。祈りで鳴らすのは福音の鐘ではなかったのか。神様は嘘つきなのか。
そんな日々の中で本当にたまたま、学部で行われた食事会の席に転校生がいた。
あいつ、酒飲めたのか。初めて知った。
すかさず隣の席に陣取り、愚痴をこぼす。
「あんた、お酒飲めたのね。知らなかったわ。というか、飲めるなら私を飲みに誘いなさいよ!!ご飯だけじゃなくて!!」
私もその日はアルコールを摂取していた。
というか、摂取しまくっていた。
「私全然就活上手くいかなくて……私なんて社会にいらないのかしら。いらないんだわ、私なんて!!」
めんどくさい女になっていた。
珍しくおろおろしている転校生を見てなんだか面白くなってしまった。
少し、すっきりしたかもしれない。
「なんてね!!というか、あんたもうろたえるのね。めんどくさいこと言って悪かったわ。ほら、せっかくお酒飲んでるんだし、乾杯しましょ!!グラスを持って、かんぱーーー、し、死んでるッ!!」
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