第5話 立ち上がるパラディン
「ファイヤ!」
「ゴブー!?」
「ありがとうございます! 学園長!」
「逃げ遅れに平民が多いな」
移動中に先ほどのユーパイセンのように平民の生徒が逃げ遅れているのを発見したので初級火魔法のファイヤーボールで助けておく。
おそらく先ほどのように貴族の生徒に押しのけられてしまったのだろう。
大半の平民の生徒は貴族の生徒より身体的に劣っているからな。
というのも平民の生徒は下等身分生徒という扱いで劣っている分貴族の4倍は努力せねばならないとかいう屁理屈の元、貴族の場合は3年で卒業できるところ12年学園で学業に従事せねばならず、僅か6才で入学させられるからだ。
極端な話15才と6才がフィジカル対決すれば当たり前のように前者の15才が勝つ。
まあ主人公のように超絶パワーの持ち主であれば結果はわかないかもしれないが。
そんな例外は起こるべくもないのでそれは置いといて、有事の際にこれじゃあ、先が思いやられるし、このカスみたいなルールの運用者は俺なので何かあれば俺にヘイトの矛先が行く以上なんとかせねばならない。
まずは12年間縛りをなくすにしても今なくすとユーパイセンを放流することになるしな。
これで戻らなかったら、メインヒロインが一人不在のまま本編に突入してカオスな事態になってしまうし。
はて、どうしたものかと思っていると天井のない円状の建物が見えてきた。
修練院だ。
裏口に移動して入っていくと目的のものがお目見えした。
環境光を反射して鈍く光る白い巨躯にところどころに蒼いラインの入った人造魔人──パラディンだ。
ひとまず先のことは置いといて、こいつを操って魔人を倒すことに専念すべきか。
雑念があってどうにかなるほどイージーじゃないからな。
膝をついて座した姿勢のパラディンに側にある昇降台に登りコクピットの中に入る。
「よし。ちゃんとゲームのまんまだな」
操縦盤の配置を見て操縦可能であることを確認するとパラディンのハッチを閉じて、立ち上がらせる。
姿勢制御も安定、各部オールグリーン。
さて行くかと思うと視界の端に何かいることを確認して驚く。
「ユーパイセン……!?」
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