地方領主の子供に転生しました

プリオケ爺

第1話 転生したしま

「首から下を全部取ってくれ」


俺の最後の言葉。

鼻に差し込まれた管から絶えずガスが供給され体の痛みは対岸の火事のように曖昧になり、ただ少しだけ騒がしいな・・・程度の不快さに落ち着いている。

でも、重いし煩いし、殺してくれないのなら体を全部取り払って脳みそだけにしてくれ!


と訴えたのだが、むろん買い物の帰りに看病に来ていた娘はまともに取り合ってくれない。


「取れないよ、取ったら死んじゃうでしょ」


つれなく言い捨て、花瓶の水を変えている。


・・・つーかコイツも娘(孫)迎えに行って買い物して帰って子供(孫)風呂入れてメシ作って・・・あれ?風呂はもう一人で入れたっけ??・・・食わせて片付けて寝せて、と全日フル稼働で働きまくってその合間に俺の看病て重労働なのにこのポヤ~~~ンとした落ち着きぶり。


文句よか感謝の言葉を贈るべきなのでは?


なんとなく魔が差した(慣用合ってんのかコレ)ように感謝の念が湧きがってしまい目をそらすと、そこには涙を流しながらワシの麻酔ボンベ?のハンドルみたいのを捻る孫娘の姿があった。




おいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!










「おめでとうございます!記念すべき成仏ラッキーナンバーを引いたあなたには転生をプレゼントさせていただきます」


「え?わしキリスト教なんだけど成仏したの??」


つーかめでたくねーよ!孫娘が親殺しになっちまうだろ!!!

・・・しかし何故か何の焦燥も湧いてこない。


「いやー、宗教て生者のモノなんで死んだら関係ありませんてwww」


「はぁー、法律みたいやなソレ」


「同じですよ、同じ。法律だって刑や罰金はあっても、自分に迫るパンチや銃弾を防げないでしょ?」


「ああ、横断歩道だって物理的な地形効果とか無いしのう・・・轢かれて死んだらお前が悪ぁ~~~るいwww程度よの」


「善をもって自分を律するのが宗教、法で縛り愚民を律するのが法律です」


「善律・・・そーいや前立腺もなんか調子悪かったなぁ」


「ともかく転生!では行ってられませ」


「え?いやいや何処の誰に転生す・・・」





ワシは死んだ。









「父上!この子供は?!子供が何をしたというのですか!」


なんか白人のめちゃカワ少年が激しくエキサイトしながら・・・朝服、じゃなくて重複?・・・臭そうな浮浪者っぽいカッコしたオヤジに・・・あ、よく見りゃぼんぼり袖の洋画でよく見る貴族服(何其w)じゃんwwwまぁ貴族オヤジに叫んでいた。


「え?別になんもしとらんけど」


貴族オヤジは少年へ答えると共に、しゃらん!とイイ音でタコでは無い走らせた白刃を陽光に煌めかせると、杭に縛り付けられ泣いているコ汚い女の子に切りつけた。


手で露を払うような、何気ない横薙ぎ。

しかし直後に上がった音は重く固く、トウモロコシのふさのような髪の毛の塊が赤い血しぶきを跳ね散らしながらゴロゴロと土の上を転がった。



うえ、死んで早々嫌なもん見たわ・・・



杭に残った女の子に目を向けると、そこには果たして五体満足の女の子が未だ縛り付けられていた。

もはや泣いてはおらず、見開かれた目が何かを凝視していた。


貴族おじの驚愕が刑場に響く。


「・・・ミハイル!」


天使?ここはキリスト教圏か、白人だけに。


貴族オヤジが叫び、その足が僅かに動く。

しかし小石を踏みしめる音が鳴るのみ、一歩としてその脚は進まなかった。


「愚かな」


貴族オヤジが言い捨てると、少女の視線の先に倒れていた少年が立ち上がる。

面をあげると、カッコイイ白人らしく額から血を流しつつ叫んだ。


「はっ、話の続きです!父上がこの子供を殺すことでっ・・・クッ……」


あー、アタマ殴られると脳みそが戦闘モードになる人だこの少年。

怒りの感情で思考が制御不能になんだっけ?

俺なんて殴られてもぽかーん、となったあとそのまま泣き始めるのが精々やからな実際・・・うらやましいわい。



「見せしめよ」


「・・・見せしめ?」


オヤジが言い、その発された言葉をそのまま問い返す少年。


「この父親はワシの館の庭師でありながら園の整備を怠っておった。ゆえに斬り捨てた。子供は庭師の家族として館に住まわせておった故、同罪じゃ。故に斬首する」


「それが父上の道理なのですか?わたしはその子供が花についた虫を取り、木に出来た蜂の巣を落とし・・・」


「ああ、働きはワシもみとるよ。だから苦痛なく速やかに死ねるよう斬首を行うのだ」


「なぜ有情が刑死を超えないのです!」


「そりゃあ・・・生かすといろいろ不都合が生じるのじゃ」


「どんな!」


「まず、儂が侮られる。子供に弱いとな」


「・・・わかりません」


「子供を餌にすればワシを操れる、そう考える者どもがワラワラと寄ってくるぞ。これはワシの子だ面倒を見ろ。どこそこの村の子が病だ、税を免除してくれ。子供ばかりが殺された、あの隣国の所為だ。目を抜かれ手を取られた子供が何人も詰め込まれた箱が・・・」


少年は瞑目し、長く息を吐いた。


・・・かっこいいなあ!ガキのくせに!!


「・・・全て理解できました。そして、この子供・・・ターニャを育て庇護する親も居ない。放免したとて早々に悲惨な死を遂げる、ということも」



「ふん、さすがワシの子よ。ならばどうする」



貴族オヤジ・・・頭の可怪しい浮浪者にしか見えんけど・・・は満足げに口ひげ(なんか皮脂とかめたくそぶら下がってて汚い)を笑ませると目を細めた。


少年は腰から短剣を抜き、叫んだ。



「私が死に、ターニャを父上の子供とすれば善い!」


言うが早いか、少年は握りしめた白刃で己が頸部を貫いた。





少年は膝を砕けさせ、天を仰ぎつつ倒れた。









ええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!








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〇ヴァのパクリ作品が演出やシーンをそのまま使う二次創作になってしまいうpれないのでとりあえず新作を発進させて気分転換します。

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