第4話 君みたいな人はどんな人生を送るのかな

1時間目の数学が初まるチャイムが鳴った。



「はいノートと教科書開いてー、先ずは復習でこの問題解いてー」



うん、別に難しくはない。けれど答えるのは嫌だ。間違えているとは思わないが、発言などしたいとは思わない。



「じゃあー、中野くん答えは?」


「えーっ、俺っすか??」


「そうよ。解けてる?」


「いやー、えーっと」


「歯切れが悪いわね…なによ」



そう言って黒板から三つ離れた席に近づく数学教師の平野先生。そして彼の周りでクスクス笑うクラスメイト。

ちょうど私の席からは死角になっていて、見えないからなにが起きているかはわからない。



「あーっ!ちょっと!中野くん!早弁なんて久々に見たわよ!!」


「いやー…すんません」



こういう人はなにを考えているのか本当にわからない…



「辻先生に言いますからね!?」


「もぉ〜!絶対怒られるー…」


「当たり前でしょう…!!」



辻先生とは担任の先生だ。


中野大夢(ひろむ}くんは、高校になって出会った人だ。友人としては嫌いではない。まあ、恋愛に持っていきたいとは思わないが…。


本当に見ていて飽きないがヒヤヒヤする…。

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