カチャン

やはりサーチでヒロインのステータスのなかで、根性だけが人並み以下だったのを見つけられたのは当たりだった。

一応戦闘に備えて、透明防護壁も張っていたが要らない世話だったらしい。


 女は、女の嫌がることをよく知っているからね!(ドヤァ)


 特に私の作ったヒロインは(一応)人を慈しめちゃう系女子設定にしてたはずだから、周りの知った兵がどんどん血を吹き出しながら首を吹き飛ばせていけば、普通の高校生設定の貴女は、恐怖で逃げることしか頭の中に残らないと思ったのよ。


 さて、これで脅威は去ったわけだし、自陣に戻ってノヴァの活躍を見るとしましょう。


「トラベル…」


 …ん?足元が光らない。そういえば、体力とは別に感じていた力が空っぽになってしまったような…

 …もしかして


「魔力…使い切っちゃった?」




カチャン



 

 …ていうか待って。私今まで

周りの敵兵達の首、飛ばしてたよね…?え、殺した?私が…?


 さっきまで、全く違和感どころか、高揚感を覚えていたけれど、周りは1秒に1人といってもいいほどの勢いで、アルカナのメンバー達が人を殺していっている。


 あたりから、なんか自分の道徳心みたいなものが薄まったような…

 なんで?もしかして…ノヴァが…?


「マスター…」


 心地よいと思っていた聞き覚えのある低音ボイスに、恐怖からか、思わず肩が跳ねる。



すると、今まで聞いたことのないようなその輝かしいフェイスからは想像もできない恐ろしく低い声が聞こえた。


「あぁ…戻ってしまいましたか…」


「の、ノヴァ?な、何が起こって…ム!?」


 ノヴァにお姫様抱っこをされたかと思うと、唐突に、彼と私の唇が触れ合った。



あ、柔らくて、少し冷たい…じゃなくて!何何何!?ここ戦場だよね!?てか『戻ってしまった』って何?

口の中に、ノヴァのひんやりとした舌まで入ってくる。


「ムグッ!?」


 ちょっと!何してるの!私の、ファーストキス!

 …でも、不思議なことに冷たい冷気を放っているのに口の中に温かいエネルギーが入ってくるように感じる。


「ん…っ…」


 え、と…私さっきまで…?


 頭の中に、温かい記憶が流れてくる。


 あぁそうだ。私が調子に乗りすぎて魔力切れになってしまったから、のノヴァにキスで魔力を分けてもらったんだった。


「マスター。魔力を無駄遣いしないでください。」

「はいはい…分かったわ…」


 また、ノヴァに叱られた。一応なんだから、少しくらい多めに見てくれてもいいんじゃないの?


「戦況は?」

「第6部隊の捨て身の進軍で順調に攻略しています。」

「へー?6?」

「…マスターがおっしゃってたんですよ?」

「そうだったっけ?まぁいいや。じゃあさっさと終わらよう。ノヴァ!どっちがいっぱい殺せるか勝負よ!」

「了解。マスター。」

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