Lil'in of raison d'être:Kallistō Of The Souvenir(リルイン・オブ・レゾンデートル:カリストー・オブ・ザ・スーヴニール)
StoryCode:“ikigurui”#1『足先に落とす』
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「一緒に飛ぼう」
私の合図で飛ぶ。彼女は未だに勇気が無い。どうして⋯?と思ったが無理もないだろう。彼女は反対していた。私が半ば強引に誘ったんだし、彼女の当該反応が正当なものだと思う。
「彼女も死んだ方がいい」
私と一緒に彼女も死ぬべき人間だと思っていた。
要らないから。私と同じようにこの世界に不要な存在だから。せっかく私も居なくなるんだから、一緒に報道された方が良くない?
私のイジメ問題から救済してくれた彼女。
馬鹿だな⋯と思っていた。だってその動きのせいで彼女へとイジメの対象がシフトしたんだから。私の周りにはイジメグループはいなくなった。
嬉しい⋯と思ったし、彼女は馬鹿だな⋯と素直に思う。
楽にさせてあげたい。それが私の願いであり、彼女への救いでもある。
「ダメ⋯わたし、、ムリかも⋯⋯これダメだよ⋯やっぱりダメだよ⋯⋯ほんとに⋯ねぇ、、」
「ううん。そんな事ないよ。一緒に飛ぼう?もうさ、直ぐなんだから。ここから足を一歩、踏み外せばいいんだよ。そうすればあとは重力がぜんぶ片付けてくれる」
「⋯⋯⋯いや、そんな⋯ちょっと⋯⋯待ってよ⋯⋯わたし、、彩華の自殺幇助なんてしたくない。まだ生きたいもん」
めんどくせぇ女。なんだなんだ、なんなんだこの女は。さっさと死んでくれないかな⋯。
自分の価値を分かってないんだよ。だからこうして自分の置かれた立場を分かってない。分かろうとしない。分かろうとしても実行に移せない。だって、自分はまだ生きたいから。生きたとて、この先に自分のフィールドが用意されてるはずなんて無いのに。自分をもっと下に見ようよ。
「彩華⋯もうやめて?ね?ダメだって⋯」
「私が飛んだら、あなたは何を思う?」
「何って⋯そんなの⋯分からないよ。分かりたくもない⋯分かってどうするの?分かったら止まってくれるの?それだったら考える」
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