貧乏な姉妹を治療して拾ったらやばいことに

第1話

僕の名前はアール、ルーン王国という国で診療所を営んでいる。ある日、その診療所に助けを求める女の子がきた。それが最悪の始まりだとは思わなかった。

コンコン

「は〜い、どうされました?」


そこにはボロボロの服を着た少女がいた。


「妹を、、妹を助けてください!!」


そう口にする少女は、焦っている様に見えた。まずは、話を聞くことにした。


「とりあえず、中に入って話を聞こうか。さ、入って入って。」

「なるほど、、、」


少女の名前はエリシアと言うらしい。僕はエリシアから話を聞くと、妹はある日熱を出したそうだ。最初は風邪だと思っていたらしいが、中々体調が良くならず最近は血を吐くようになったそうだ。


「お願いします、、!妹をどうか、、助けてください、、!!お金はこれしか持ってません、、、」


少女は手に銅貨を1枚だけ持っていた、普通なら銅貨1枚だけでは、治療を受けれない。でも、僕はそんな姿を見ていたたまれなくなった。


「お金は要らないよ。」


「でも、、、」

「早速行こうか!案内してくれるかな?」


診療所を出てしばらく歩いていると、スラム街に入って行った。やっぱりここか。辺りは荒れ、空気も汚れていた。スラム民は僕のことが珍しいのか奇異の目で見たい。まあ無理もないか


「ここ。」


着いたらしいこれが彼女らの家?家というよりテント?に近い気がする。


「アリス!!!大丈夫!?お医者さんを連れて来たからもう大丈夫だよ!!」


そこには、簡素なベットに横たわって苦しそうにしている少女がいた。


「もう大丈夫、今まで苦しかったね。安心して。エリシア、外から見えないように布とか被せてくれないか?」


僕はそういうと、エリシアは困惑しながら僕に布を被せた。なぜかと言うと、この国では回復魔法を使えるものは限られている。だから、外から見えないようにしないといけなかった。他の医者は薬草などで治療したりする。回復魔法を使えるものは、魔法を使ったりするがそれ相応の危険が伴う。


これは、、毒?じわじわと体を蝕んで死に至るような毒だ。でも、なんで?どこで貰った?まぁ考えるのは後だ


「ヒール!」

唱えると辺りを緑色の光が覆った


「アリス!!!」

「お姉ちゃん??私、、あれ?苦しくない、、」

「アリス体の調子は?どこもおかしくない??」


「大丈夫。アリスちゃんは完全に治ったよ。」


「「ありがとうございます、、、!!!」」


彼女らは、深くお辞儀をした。僕はなんだか暖かな気持ちになった。

あ、忘れるところだった聞きたいことがあったんだ。


「ところで一ついいかな?エリシア、君の妹は毒に罹っていた。何処かで心当たりはあるかな?」


「う〜ん、あ、そういえば、アリスが体調を悪くする前に飴ちゃんをくれた人がいた、飴ちゃんは1つしかなかったからアリスにあげたんだった、、だったら、私のせいで、、、ごめんね、ごめんね、、、、、」

「お姉ちゃんのせいじゃないよ!!!」


「そうだよ、エリシアのせいじゃない!悪いのはその飴を渡してた奴が悪いんだ!!!」


僕は、怒りが湧き上がってくるのを感じた。何の目的で?許されることじゃない。他にも似たような被害を受けている人がいるかもしれない。もしまた、彼女達が狙われたら?彼女達だけでも保護しないと、同じようなことが起きないように。


「君たち、僕の診療所で助手として働かないかい?もちろん、給料は払う。衣食住も提供する、こんなところで暮らすよりよっぽど良いと思うけど!まぁ君たちが良ければだけど。」


「「働きます!!!!!!!!!!!」」


彼女達は、嬉しそうに返事をした。


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