第17話 無双タイム

 私の師匠である【大賢者】プニルンを配下に加えて更に戦力を増す高坂和希率いるボードゲーマーズはあっという間に私が住んでいた【クーティア大陸】を奪還してしまった。


 それもほんの数日でだ。


 ありとあらゆる魔族を駆逐していき、いつの間にか【クーティア大陸】を奪還することに成功していたのでした。


「これはすごいことですよ和希様!!!」


 私はクーティア城の玉座に座る彼にそう呟きました。


「何がすごいことだ。まだ他の大陸には手が届いていないだろう。今から新たな兵力を送り反撃を開始する。まだ全てを奪い返していないのに浮かれるのには早いだろう」


 確かに、ここは和希様の言うことが正しいでしょう。


 しかし、私にとってほんの数日でここまでの劣勢を覆しただけでも相当な快挙と言えるのだった。


「はい、確かに浮かれすぎていたかもしれません。しかし、たったの数日でここまで勢力図を変えた手腕は脱帽ものです」


 私の嬉しそうな表情を見ていた彼は静かにこう呟きました。


「最初に俺の顔を見た時に終わったかのように絶望していたのはどこの誰だったかな?」


 そう言われると明らかに弱ってしまう私なのでした。

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