第5話 旅立ち Vs.変異種の大鬼②
「月夜さん、ごめんね、僕のせいで傷負わせちゃって。ポーション飲んでて。」
「いえ、別に四条くんのせいではないので気に病まないでください。」
「ありがとね。気使ってくれて。」
先ほどとは別の、さらに大きな魔法陣を僕の周りに五個描く。こんな複雑な魔法陣を同時に複数描くなど、
「
魔法が発動し、体から魔力が減っているのがわかる。だが、今の俺の魔力は一年前の魔力量をはるかに超えている。再生が手ごわいなら、再生される前に殺しつくすか魔力切れを起こさせるだけだ。
「グルアアアアアアア」
雄たけびをあげながら傷を再生させ、大剣を振るってくる。
「そんな甘い攻撃が今の僕に通るとでも?
魔法陣を描き、同時に螺旋の電磁場が作られて加速された
着弾。すべてが
「きみ、魔力なくなってきたよね?
「いいの?
緋璃刀は魔剣だ。触れたものは
金属疲労。急激な温度の変化によって金属に疲労がたまり、脆くなっていく。
「ガアアアアアアア」
「やっと本気を出す気になったのかな、オーガ君。」
さすがにこの状態の
「月夜さん!」
「はい。」
僕が戦っている間に月夜さんが作り上げた大規模な魔法。僕が戦闘していた十分間すべてを集中に費やさなければならないため、月夜さんは目を瞑っておりまったくの無防備だ。
膨大な量の魔力がその魔法陣に注がれているのがわかる。その魔力量をみて
「させないよ。月夜さん、やっちゃって。」
そもそも戦闘中に目を瞑るということがすでにおかしい。それを実行しているのは、僕を信頼してくれているからだろう。その信頼を裏切るわけにはいかない。一度手に身体強化を集中させ、
「
超新星爆発の中心部を
蒼い光が僕たちの目を焼く。
ズガアアアン
光に一拍遅れて聞こえた爆発音。そして、その中には、
「すごいね、
だがな、
「月夜さん、プランB」
「わかっています」
今度は月夜さんが前へでて
月夜さんが
僕が刀をあて続けた大剣の根元に月夜さんも
「グルルルル」
「よし。」
魔法回路は起動した。あとは残りの魔力をすべて流し込むだけで魔法が成立する。
一閃。ついに
「ガアアアアアアア?」
「月夜さん!」
月夜さんが
「
原子核から引きはがされた膨大なエネルギーをもつ電子が収束する。気体でも液体でも個体でもない「第四の状態」。それが、認識を超える速さで放たれる。エネルギーの解放。
音はない。深い、広大な森に一筋の莫大な閃光が駆け抜ける。
「月夜さん。倒したん、だよ、ね?」
跡形もない。目の前には地面が溶けてガラス化した何もない線がどこまでも途切れることなく走っている。
「はい、あの
一拍。僕たちは一瞬見つめあい、
崩れ落ちた。
「あー怖かった。何なのあの化け物。どんな攻撃加えても再生しやがるし。魔力すっからかんとかいつぶりだよ。」
「ほんとになんなんですか、あれ。私の本気の魔法でも再生するって意味わかんないんですけど。」
「でも、まあ、倒せてよかったね。月夜さんのおかげだよ。」
「ええ、倒せてよかったです。けど、ほとんど
「え?いま名前でよん「二年間も一緒に居ましたし、もうこれで一区切りなのですから、そろそろ名前で呼んでもいいかなとおもっただけです。いやならやめます。」」
月夜さんが名前で呼んでくれたと思ったら、少し顔を赤くしてまくしたてられた。そもそも月夜さんは正統派美人なのでかなり絵になる。二年間一緒にすごし、戦い、ご飯まで作ってもらっていた僕としては月夜さんのことが嫌いということなどないし、むしろ淡い恋心を抱いているような気もする。顔を赤くしたのは脈ありか?と一瞬思ったがそんな甘い考えは捨てた。単に男子の名前呼びに耐性がないだけだろう。
「ああいや、全然いやなんてことはないし、むしろ
「じゃ、じゃあそういうことで名前で呼ぶことにしましょう誠くん。(べつに誠くんなら嫌だなんてことはないですし…)」
最後のほうが小声になっていて聞こえなかったが、顔を赤らめて何か言う紗奈さんは結構かわいかった。
「ん?最後のほうがよく聞こえなかったけれど…。それでは、改めて今後ともよろしく、紗奈さん。」
「は、はいい。今後ともよろしくお願いいたします、誠くん。」
▨▨▨▨▨
「いただきます。お、なんか今回のは豪華だね。」
「どうぞ召し上がれ。ええ、せっかくアイツを倒したのでお祝いもかねて。」
「おいしいよ。」
「ありがとうございます。けど毎回聞いてますね、それ。」
「いやだって、毎回味変えてきて飽きさせないし、普通にめちゃくちゃおいしいし。」
さっきの戦闘の後から少し紗奈さんとの距離が近くなっている気がするので、少しテンションが高いのだ。
▨▨▨▨▨
「ふーむ。」
「どうしたんですか、四条くん?」
「いやー魔法を科学的に説明できないかなって。」
「う〜んとね?取り敢えず魔力とは何かくらいは説明できるんだけど…」
「え?すごい。それで、魔力とはなんなんですか?」
「ズバリ!魔力とは人間の余剰生命力による純粋なエネルギー体であり、魔法使いとはその生命力の変換効率が一定以上高い人のことを言う。」
「へ〜そうなんですか?」
「たとえばさ、魔力を使い切ると体がだるーくなったり、意識失ったりするじゃん?たぶん、それも魔力っていうのは生命力を変換したものだからだと思うんだよね。」
「ええ、確かにそれで説明できますね。ということは、魔力を使ってお腹が空くのも魔力に変換されているからってことですよね?」
「う、うんそうだけど…」
「つまり、たくさん食べても太らない!」
「そうだけど…何か口調がおかしくなっているよ?」
「仕方ないじゃないですか。いいですか?四条くん。それは女の子の永遠の夢なんです。」
「あ、そ、そうなんだ…。」
「ええ、これはいいことを知れました。今回のことは転生する時と同じくらい感謝しますよ。」
そんなものなのかな?……
ここではすべては明かしませんが、魔力の仕組みはこんな感じです。
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