泪色の空赤く沈む

@Ashman

第1話 秋の日が差し込む

  日本列島を夏の将軍が暴れまわった、草木は焼け落ち、我こそは王と主張するように、南から北、北から南へと兵を引き連れ行軍をした。

 白熱を帯びたその息吹はコンクリートをも溶かし、残ったのはコールタールみたいな記憶と傷痕だった。


 自己紹介をしよう「タジマトオル」とある地方都市に住む、二十歳のフリーターだ。


 昨日は高校からの友人とこっぴどい喧嘩をした。正直なところ、内容はとてもくだらなく、どうしてこんなにも熱くなってしまったのか、平気で傷をつけるような事を、暴言をぶつけたのだろう、本当に後悔している。


 朝、目が覚めるとずいぶんと気持ちがすっきりしてい秋空のようにすっきりしていた、昨日の悪夢が嘘みたいだ。とりあえず冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、一口含み「ゴクリ」と飲み込んだ。


 「もう少しだけ寝よう」


 そう呟き、ベットの誘惑に腕を引っ張られ、そのまま落ちた。


 「ジリリリリリリ」


 「雷電」と凶暴な名前が付いた目覚まし時計が雷を落とした。


 ぼんやりとした意識、重たい頭、溶けた瞼顔だけを横に向ける。


 「もうこんな時間か」 


 ため息のような声が漏れる


 昨日の出来事が僕の頭が「ガンガン」と叩く。


 部屋はひどく散らっかってた、脱ぎ捨てられたTシャツやチノパンやらの衣類、読みかけの漫画、文庫本が無造作に落ち重なっている。


 テーブルの上には玄関ポストに入っていたピザ屋や廃品回収のチラシや、電気、水道、ガスの明細書と小銭が散らばっている。


 ベットからゆっくり這い出して伸びをする、大きなあくびが思わずでる、そうだ今日は休みだったと思い出し、「ホッ」する。


 肩甲骨を意識しながら、肩を回し軽いストレッチをした。


 カーテンを開ける、窓の外はオレンジ色にゆっくり染まり、いい日になりそうなそんな予感がした。


 とりあえず片づけをしないといけない、まず、台所に向かった。白いカビの生えたカレーをビニール袋にこぼさないようそっといれ、封をしてゴミ箱に放り込み、床の衣類を手早くたたみシルバーラックに、書籍類は部屋の隅っこに置いたところでお腹が鳴った。


 ここで一つみんなに問いたい、朝食はパン派か、ごはん派かである。


 僕はパン派である。何故ならごはんは何をおかずにするか、汁物の有無など選択肢が多く、優柔不断の自分には選ぶことができないからだ。


 その点パンは、特にトーストは好きなジャムやバター、はちみつ、チョコクリーム、ピーナッツクリームなどの、その日の気分で決めればいいからだ。


 「チンッ」


 心良い音が聞こえた。


 トースターから皿へ熱さをこらえながら移す


 今日は実のところを言うと、知り合いのリンゴ農家さんから、リンゴジャムを頂いていたのである。


 「ゴロゴロ」とした角切りのリンゴジャムをトーストに乗せ、誰に遠慮することなく頂く、嗜高の幸せだ。


 夢中で食べ終えると、窓の外から朝日が部屋に差し込み、オレンジ色に染めている。


 もうそろそろ、家を出る時間だ早く準備をしないと。


 洗面台に向かい歯を磨き、顔を洗う。


 手短に支度を整え、両手で顔を軽く「バシッ、バシッ」と叩き、入り口に向かう。


 静かにドアを開けた。








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