ラブレターの主を探せ!
岩名理子
第1話 プロローグ/ ラブレターという名の挑戦状
「誰よッ、こんなふざけた手紙をよこしたのは!」
下校時刻の夕闇が迫るなか、校内の靴箱の前でわたしは絶叫した。
生まれること早16年。
恋愛の”れ”の字もしたことがない私に届いていたのは、ラブレター……のように思える挑戦状。
『俺は柳瀬さんのことが好きです。あなたに告白をしたいので、俺を探してください』
これはまた、とんでもない手紙が入っていたものだ。
差出人の名前など、もちろんない。
手紙を全て調べたが、間違いなく柳瀬ゆうか、わたし宛て。
怒りに思わず手紙を、ぐしゃりと握りつぶすとこだった。
「新しいタイプのいたずら……? 許さない、犯人を絶対に調べてやるから……!」
そして、この手紙を突きつけ――るどころか、叩きつけて、全力でお断りしてやるんだからと決意する。
カバンを持ち、怒り心頭で学校を飛び出した。
この時わたしの背後に、覗き見る誰かがいたなんて――
当然ながら、知る由もなかった。
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