3年ぶりに再会した幼馴染は愛が重い
ypaaaaaaa
プロローグ いつもの登校
俺の一日はまず、時間をチェックすることから始まる。
今は朝の6時40分。
あと20分しかない。
うん、まずい!
「母さん!なんで起こしてくれなかったんだよ!」
急いで着替えた俺は、1階のリビングに降りて愚痴を零す。
「
母さんは全く意に介さず食器を洗っている。
「学生なら7時まで寝てても誰も怒らんだろうに…」
そう言うのは父さんだ。
スーツをしっかり着こなし、居間で新聞を読みながら朝のコーヒーブレイクを楽しんでいる。
その背中には積年の経験が透けて見える。
たしかに、父さんの言う通りかもしれない。
というか普通はそうだ。
だが、俺は違う!
鮭とごはんを口に詰め、みそ汁で流し込んでから時間を確認する。
長針は無情にも11を指している。
「間に合えっ…!」
ダッシュで洗面台に行き、顔を洗って歯を磨く。
若干寝癖があるが、構っている余裕はない。
全てが終わると置いておいた学校のかばんを背負って玄関に走る。
「行ってらっしゃ~い!」
呑気だけど元気な母の声に見送られて俺は玄関を出た。
「おはよっ!ミツくん!」
そこには1人の少女が立っていた。
肩で息をしている俺を見て彼女は微笑みを浮かべる。
「おう…おはよ」
俺は少しげんなりした風に返す。
彼女は
幼馴染だ。
黒髪のショートヘアとくりくりとした目が可愛らしい。
「ミツくん、元気ないね。どうしたの?」
「いや、ちょっと寝坊しちゃってな。結構急いだ」
すると楓は目をキラキラさせる。
「私の事、そんなに考えてくれてたの⁉うれしいなぁ~」
「ま、まぁな」
前提として、俺と楓は幼馴染だ。
だけど、3年前に一旦離れ離れになった。
それで高校で奇跡的に一緒になったらこうなった。
「えいっ!」
後ろからわざと当てる様に柔らかいものの感触が伝わる。
「どう?暖かいでしょ!私のこと考えてくれたお礼!」
ニコニコしながら背後に抱き着く楓。
健全な高校生ならうれしがることだろうが、俺は違う。
すると、楓がかなり小声で何か言った。
「も…にが…ない……」
小さすぎて、断片的にしか分からない。
再会してからずっとこの調子だ。
さっき急いでたのは7時の時間に遅れたら、どんどん楓がぐずってしまうからだ。
『みつくんにとって、私ってどういう立ち位置なのなか…』
この前遅れた時のあの顔は忘れられない。
と言うよりかは二度とあんな顔を楓にさせたくない。
その一心で早く用意してたわけだ。
最初の頃は女の子の日なのかなと能天気に考えていたが、明らかに違う。
3年ぶりに再会した幼馴染の気持ちが重たい。
俺はそういう状況に置かれている。
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