第2話少しくらい反対してみては……?

「いいんじゃない?」

「ワシは反対せんぞ」

ん?思ってた反応と違う…

「え?反対しないの?」

「別にいいんじゃない?うちの稼ぎが増えていいじゃん。」

「若くて健康な男なんだから高校生でも少しくらいバイトせんとな」

姉は稼ぎを家に入れる気満々だし、じいちゃんは今の時代に言ってはいけない言葉ランキングトップ5くらいに入ってそうなこと言いだしたし……

「はぁ、朝からなんか疲れたしそろそろ学校行くわ。」

「わしからの愛情弁当は玄関じゃぞ。」

「その言葉は可愛い女の子から聞きたかったな!?」

「じゃあ私が言ってあげようか?」

「いらねぇわ!いってきます!」

このやり取りを朝からはさすがにしんどい。

「よっ!!」

「俺の周りには朝元気な奴しかいないのか?」

そうやって、後ろから抱き着いてきたのは宮間恒星。俺たちの関係を世間では幼馴染みというらしい。こいつも例にもれず、アサカラゲンキーズの一員だ。

「逆にお前は朝から3徹明けのサラリーマンみたいな顔してるな。」

「今なら彼らがこんな顔をしていた理由がわかる気がする。」

そうやって、重い足を引きずって通学路へと出るのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る