第18話 ノックアウトです

「暑いな…」


「ああ、暑い」


今俺と勝木は市民プールで里奈と絵里を待っている。というのも里奈と絵里の二人から提案があり、4人で来ることになったのだ。


「遅いな」


「ああ、たぶん里奈だな」


「新見さんがどうかしたのか?」


「恥ずかしがり屋だからな。おそらくみんなの前に出るのを恥ずかしがってるんだろ」


「なるほどな」


それから10分ほどで里奈と絵里が来た。


「お待たせ勝木君、翔君!」


「遅いぞお前…ら」


「な、なんだあれは…」


二人は驚愕する。なぜならいつもなら目立たない里奈の胸が露出されていて本来の大きさに見えているからである。


「翔、あれはなんだ?」


「し、知らん。確かにあいつは着やせする方だとか母さんと話していたが、まさかここまでとは…」


「ねえ、勝木君?」


「はひ!?」


勝木の腕に絵里がぴったりくっ付いている。


「私、胸には自信ないけど足は綺麗なんだよ?」


「ごく…」


勝木は出された足を凝視ぎょうししてしまう。だがすぐ正気に戻る。


「ば、ばか!女の子がそうも卑猥ひわいなこと言うな!」


「ふふ、照れてるね?」


「し、知らん!」


勝木はすでに絵里の手の中だ。


だが俺もまずい相手は親友だというのに俺の中の男が反応している。


「ねえ、翔?」


「うん?な、なんだ?」


「どうかな水着変じゃない?」


恥ずかしいのか顔を赤らめて聞いてくる姿に俺は伏せることになった。


「ちょ!?どうしたの翔!?」


「新見ほっといてやれ。今回はお前の勝ちだ」


「そうだね。ノックアウトって感じだね」


「え、か、勝ち?ノックアウト?」


何のことかわからずちんぷんかんぷんな里奈である。それを見かねて絵里が里奈の耳元でささやく。するとみるみる赤くなっていく里奈であった。


「し、翔。そのね、私のせいなんだから何か手伝おうか?」


それを聞いた翔は完全にノックアウト。余計立てなくなった。


「新見とどめを刺すなよ…」


「ドSだね。あんた」


「え、な、何で?」


これまたちんぷんかんぷんな里奈であった。


翔が回復するまで実に10分かかったとかなんとか。


「し、翔大丈夫?」


「おう、もう大丈夫だぞ!」


「ねえ、翔?」


「うん?まだ何かあるのか?」


「問題ないならこっちを向いて話してよ!?」


先程から翔は里奈を直視できずそっぽ向いてしまっているのだ。


そんな二人見かねて勝木と絵里は提案する。


「来ていきなりだけど二人は休憩していたら?そしたら少しは翔君も慣れるでしょ?」


「そうだな。そうしろ」


「わ、悪いな。行こうぜ里奈」


「う、うん!後でここでね二人とも!」


そうして、二人と別れる勝木と絵里であった。


「さあ、勝木君二人っきりだね!」


「何でテンションが高いんだよ」


「そりゃあ、好きな人と二人っきりだからね!」


「ぶ!?」


勝木は分かってはいたものの直接は言われていなかったので驚く。


「勝木君も分かってたんでしょ?」


にやにやしながら絵里が聞いてくる。


「ま、まあ。あそこまで露骨ならな」


そうあの絵里の家の一件以降、女子の制服になったのいいことに体を押し付けたり、自慢の足を見せてきたりして誘惑していたのである。


「なら、答えを聞きたいな?」


「ま、まて、あれはたまたま俺が助けただけで……」


「たまたまでも助けてくれたのはみんなで勝木君だよ」


真剣な目で見てくる絵里から勝木は目を離せない。


そしてそれに答えるように勝木は言う。


「ごめん、今はまだこの関係でいさせてくれないか?」


「なんで?嫌い?」


「いや、好きだ」


「なら!」


「それでも今はみんなとこの関係でいたいんだ」


勝木は強い意志を目に宿し言う。


「勝木君…」


「すまない。俺のわがままで」


「いいよ」


「いいのか?きっと待たすぞ?」


「いいんだよ。私は待てる女だからね。それに付き合ったらその分愛を搾り取るから覚悟してね!」


「こ、怖いんだが?」


「ふふふ」


ただ絵里は妖艶ようえんに笑うだけであった。

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