第14話 絶望の事実

俺達はまず問題のお母さんを見に行くことになった。


「なあ、そもぞもいいのか女の子の格好になっても?」


聞くにお母さんは大地君だと絵里を思っているならまずいんじゃ?


「それがね、どうもお母さんは私も大地もいるってことになっているみたいでね」


「大地がいないときは私がいることになっているし、私が居なければ大地がいることになっているみたいなの」


「つまり女の子格好をしていれば、ちゃんと絵里と認識してはくれるんだな?」


「うん、私もお母さんの考えていることはわかんないけどそれは確かだよ」


勝木はこの時違和感に気付いた。


「なあ、お母様は実は正常な状態なんじゃないのか?」


「「え!?」」


俺達は驚愕する。


「そんなわけないよ!」


「絵里…」


里奈が絵里の心配をしている。


「そんな事あり得ない!だってもしそうなら母さんは正気の状態で私に大地の代わりをさせていたことになるじゃない!」


「ああ」


「勝木さすがに無理があるんじゃないか?」


「そうだな。だから確認しに行きたい」


勝木は絵里の目を見て言う。


「…分かった。今から私の家に来て」


こうして俺達は絵里の家に向かうことになった。


「ねえ、翔?」


「ん?なんだ?里奈?」


「大丈夫なの?」


「大丈夫だ。勝木だからな」


「分かった。私も勝木君を信じるよ」


話しているうちにすぐ絵里の家に着いた。


「どうぞ」


「お邪魔します」


俺が言うと奥から足音が聞こえて、綺麗な女性が出てくる。


「あら、絵里。お友達?」


「うん!勝木君と翔君!」


「私も紹介しなさい!」


「ちっ!こっちはメス豚」


「だからメス豚ちゃうわ!」


もはや里奈はキャラ崩壊していた。


「あらあら、お友達なんて珍しいわね?」


「う、うん。高校に入ってできたんだ!」


「あら、よく女の子と友達になったわね?」


「うん!頑張ったんだ!」


勝木はここで半分は確信に変わる。あと一息。勝木はお母さんに質問する。


「あの絵里さんのお弟さんはいらっしゃらないんですか?」


「ああ、あの子は今出かけててね」


「じゃあ、お父様は?」


「えっと、夫は病気になっていてね。今寝ているのよ」


絵里からは特に聞いてなかったがそうなのか?勝木は会話を続ける。


「そうですか。いきなりすみませんでした」


「いいのよ」


「あの不躾ですみません。一つ質問いいですか?」


「うん?何かしら?」


「いつからこの状態なんですか?」


勝木がストレートに質問する。こいつ本人になんてこと聞くんだ!?


「それはどういう意味かしら?」


「そのままの意味です。お母様いつからこの状態なんですか?」


「勝木君!?」


さすがに絵里が慌てる。


「勝木やめろ!」


「いいから黙って聞いていろ」


勝木が俺に言う。


「……もうかれこれ5年は経つわね」


ですか?」


「ええ」


「分かりました。今日は帰ります。お邪魔しました。」


「おい!勝木!」


俺と里奈は勝木を追って家を出る。


「おい、どうなっているんだよ!?」


「今から説明する。落ち着いて聞け」


勝木の目が強い意志で見つめてくる。


「絵里のは正常だ。」


「そうなのか?」


「少ししか話してなかったからわかんなかったよ?」


「ああ、だがたしかにお母さんは正常だった。なぜなら女子の格好をしている娘に女の子の友達がいるのは珍しいと言っていた」


「それが?よくあることだろ?コミュニケーションが苦手とか」


「そうだな、だが、なぜの方が難しいのに女性の方に反応したんだ?」


「「!!」」


確かになぜ男性の俺達には驚かなかったんだ?


「お母さんは正常で普段から大地と娘の時で切り替えてをしているから間違えたんだよ。大地の時の演技とな」


「つまり、大地君の時と間違えたから女性の友達は珍しいって言ってしまったと言う事なんだな?」


「そうだ」


「でも、何で演技なんて?」


勝木は苦しそうな顔をしている。


「どうした勝木?」


「……正気じゃないのはお母さんじゃない。絵里とお父さんなんだ」


「それって……」


「ああ、逆なんだ。お母さんは二人の為に頑張って演技を5年も続けているんだ」


「おかしいと思ったんだ。娘と認識できているのに何で大地も認識している。さすがに二人がそろわなかったら不自然だ。それにお父さんも正常ならそれに気づく」


俺達はただ黙って勝木の話を聞きく。


「つまりお父さん並びに絵里がおかしくないと辻褄つじつまが合わないんだ。だからお母さんに聞いたんだ。いつからだと。あの返事で確信に変わった」


「そんなことって……」


里奈が俺に寄り添って泣く。


「里奈……」


「勝木」


「分かってる。このままにはできないだろ?」


「ああ、こんなこと終わらせてやる!」


俺は覚悟を決めて改めてこの問題に取り掛かることにした。








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