第6話 誘拐作戦

あの出来事の後勝木は学校に来なくなった。


「今日も来ないな勝木の奴……」


「そうだね…」


俺はずっと気にしている。俺達が無理をして家に行ったからあいつは親父さんに怒られてしまったんだと。


「なんとかできないかな?」


「家庭の問題だからな…」


「そうだよね……」


俺達は無力さを感じながら帰路きろに着こうとする。


すると、校門に勝木の家にいた爺さんが車を止めていた。


「鳴海様!」


「おお!?ど、どうしたんですか!?」


「お願いします勝木様をお救いください!」


「事情を教えてください」


緊急性の高い問題と判断した翔は爺から話を聞く。


爺の話ではあの日のことがあって旦那様(勝木の親父さん)が「庶民の学校などに通っているからあんな輩と友達になるんだ!」と怒ったそうだ。


そうして、学校をいったん休ませ、違うお金持ち学校を探しているらしい。


「でも、なんでそこまで私たちのことを嫌ってるんだろう?」


里奈が気になっていたことを口に出す。


「それは過去に旦那様が親友と思われていた方に裏切られたからです」


「そんなひどい裏切りだったんですか?」


「え、えっとですね。その……」


「そんなにひどい事なんですか!?」


「い、いえ!なんというか…」


「???」


爺は何を知っているんだろう?


「教えてください!俺どんなことでも受け止めます!」


「……分かりました。旦那様は」


ごく


俺は緊張する。どんな酷い裏切りを経験したというのか!


「好きな人を取られました!」


「……」


「好きな人を取られました!」


「いや、聞こえてますよ」


気のせいだろうか?好きな人?付き合っている人とかではなく?


「えっと、付き合っていた人をですか?」


里奈も念のため確認する。


「いえ!好きな人です!」


「……」


いや!子供かよ!なんか壮大な裏切りかと思いきや、ただの嫉妬じゃねーか!


「なんというかスケールが小さいですね…」


「……はい……小さい…です」


皆して黙る。なんだこの雰囲気!?


「と、とにかくこのままでは一生勝木様は自由がなくなります!どうかお助け下さい!」


「といわれてもどうすれば…」


「私が軟禁なんきんされている勝木様を家の外に出します。なのでどうか鳴海様の家で匿われてくださいませんか?」


「いきなり言われても母さんがどういうのか。とりあえず待ってくれ」


俺は携帯を出して母さんに電話する。


「あ、母さん今日から何日か友達が止まるんだけどいい?」


「里奈ちゃん?」


「いや、男友達」


「そう、別にいいわよ」


「え!?急なのにいいのか?」


「だってあなた友達連れてくること基本里奈ちゃん以外いないじゃない。だから特別よ?」


そう学校では話す奴はいるんだが、皆俺と里奈に遠慮して家までは来ないのだ。


「サンキュー母さん!」


俺は電話切る。


「OKらしいんでいいですよ!」


「おお!ありがとうございます!」


そうして俺と里奈、爺は勝木の家に車で向かった。


勝木の家について爺やが家の中に入って10分がたった。


「お、出てきたぞ!」


勝木が困惑した顔で家から出てきた。


「爺やどこに行く気だ?」


「まあ、まあ車にお乗りください」


「こんなのが父さんにばれたら……」


「よう!勝木!」


勝木が前みたいに固まる。


「だから何でいる!?」


「俺参上!」


「答えになっていない!それに新見さんまで!」


「へへ、心配で」


「……」


勝木は何とも言えない顔になり黙る。


「さ、行きましょう勝木様」


爺が車を発進させる。少しして俺の家に着く。


「ここは?」


「俺の家」


「は!?何でだ!?」


「お前を誘拐する為!」


「意味が分からん!」


翔のしょうもない冗談に勝木は混乱している。


「もう、翔ふざけないの!」


「へいへい」


「????」


「爺からの依頼でな。俺の家で勝木を匿ってくれってな」


「爺……」


「まあ、入れよ」


そして、俺の家に勝木を入れる。


「母さんただいま!」


「はいはい、おかえり」


「お、お邪魔します」


「あら、あなたが友達君ね。名前は?」


「松田 勝木です」


「松田君?」


母さんが何か悩んでいる。


「どうしたんだ母さん?」


「いやね、昔に松田君てお友達がいてその人と顔が似ていたからなんだか懐かしくて」


「そらにだろ」


「そうね、とにかくいらっしゃい!」


「は、はい。お世話になります!」


そうして勝木が俺の家に来たのである。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る