第5話 獣人

「あんた魔法は何を使えるんだ?」

「火だけ」

「それだけか!?火を使うのなら草で威力を上げるものだろ」

「そうなんだ」

「とりあえず次は俺だな」

「改めて言うぞ、俺はパラガス年齢37、剣一本でDランクになった」

「一人で?」

「そうだな、パーティは組んだことがない」

「それは凄いね剣一本でだなんて…」

「そういえば…」


このパラガスという男と馬車で自己紹介をしてから分かったことを要約すると

年齢37、職業剣士、剣一本一人でCランク、イケオジ、赤髪、タバコ好き、元王国騎士(結構凄い)、引退後冒険者へ

と、いう感じだ

ちなみに王国騎士団とは一人で一般騎士5人分と言われるほど強い、いわゆるエリートだ

「あんた凄かったのね」

「あんたのほうがすごいよ

  ペットと一緒にCランクまで行くんだもんな」

「なんだよあの地面のえぐれ方」

「あれくらいhu」

「普通じゃねぇーよ」

「A種を簡単に倒せるCランクがいるわけないって」

「そうなのか?」

後方に知らない馬車が走っているのが見えた

「…なぁ、あの馬車怪しくねぇか?」

「なんで?」

「奴隷商人の馬車の特長と合致する」

この国では奴隷は法律違反のはずだ

「やばくない?それ」

この馬車には私達以外あと4人が乗っているこの事実が露呈すれば間違いなくみんなが混乱して奴隷商たちが逃げるだろう

「ユキ、行くよ」

アグシはこういう人だ…パラガスの思惑は通じない

「ちょ!待てよ!」

「待たない、ユキは飛んで上から退路を塞いで」

「しゃーない俺も行くか」

奴隷商が異変に気付いたらしい、まぁもう逃げ道は無いが、アグシに合図を送り奴隷商の馬車を雪で囲った

[スノーウォール]

「どうするつもりだ?お前さん」

「火で溶かす」

「そりゃ奴隷ごと燃えちまうぞ?」

「ファイアウォール」

「これを動かして雪に穴を開ける」

「なるほどな…とんでも魔法か」

[スノーキャノン]

私は雪で取り囲んだあと雪の壁から雪を突き出させ奴隷商と護衛たちを無力化させる

「うわっ何だこれ!」

アグシがとんでも魔法で穴を開け奴隷を開放する

「大丈夫か!」

1人?通常奴隷はできるだけ詰め込みついた先で売るのが普通だ

「クソ!せっかく金貨10000枚の大物を運んでいたのに!!」

ってことは希少な獣人か?

「パラガス!」

「何だ!」

「傷つけず拘束できるのユキだけだから手伝って」

「わかった」


パラガスの活躍により奴隷商は捕まった

「まだ村が近くてよかったねユキ」

ほんとそうである

「まさか村の衛兵が

   この奴隷商を狙ってただなんて…」

「お前さんが強すぎるおかげで捕まえられたな」

「金貨50枚も貰えたし」

アグシとパラガスの財布も温まったところで奴隷として運ばれていた子が口を開いた

「あの…私をどうするのですか?」

オレンジ色の髪をした16ほどの女の子だ

狐の尻尾と耳がついている

「今や存続の危機となっている狐獣人がついてくるだなんて考えもしなかったな」

「お前さん運がいいにも程があるぞ」

「やっぱりなにかするつもりですか?」

「何もしないから安心して」

「嬢ちゃん名前は?」

「ありません…」

「なら私達で名前付けるか」

「付けるならあんたが付けろよ」

パラガスがニヤニヤしながら言った

「…じゃあ」

「君は今日からフォキだ」

「わ、わかりましたご主人様…」

「え?」

「あんたマジで名前つけた!?!?」

「なにか不味かった?」

「奴隷は名前をつけた人を主人とするんだよ」

「ほれっその腕を見ろ」

「腕?」

「ここら辺に…あった、奴隷の魔法陣だ」

「この魔法陣は名前をつけた主人に抵抗できなくなるんだよ」

「そんな酷い魔法が…」

「ご主人様の命令が無ければ私は何もできません」

「そっか…少し我慢してね」

「まさかお前さんその魔法陣を解除するつもりじゃないだろうな?」

「解除はできない、あまりにも厳重すぎる…」

「…だからこうする」

「えっ?」

アグシがフォキの腕に…

「ファイア」


―――「あいつは見どころがあるな」





あとがき(落書き)

5話まで読んでくださった皆さんありがとうございます!

こちらの作品を楽しみにしてくださっている皆様、今後ともご愛読よろしくおねがいします

あと今後書きたい内容が多くて一話ごとの文字数が多くなると思います。

1000文字くらいが丁度いいという方

ごめんなさいm(_ _;)m

今後の展開をお楽しみいただきたいです


ちょっとした秘密コーナー

パラガスの名前はリアルのあれを参考にしてます

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