ぷかひらり小噺
明知宏治
穴蔵の小人たち
穴蔵に住んでいる小人たちがいた。
穴蔵はいくつもあり、その一つ一つに肌の色も言葉も暮らし方も違う小人たちが住んでいた。
あるとき、穴蔵に別の穴蔵で除け者にされた小人たちがやって来て、食べ物を奪う事件が起きた。
食べ物を奪われた小人たちは怒って石を投げつけ、除け者にされた小人たちを倒した。それでも怒りが収まらず、倒した小人たちが元いた穴蔵を襲い、食べ物と穴蔵を自分たちのモノにしてしまったのだ。
それを見た他の小人たちは、こぞって石を集め始めた。
他の小人が食べ物と穴蔵を奪いに来たら戦えるように、そして、他の小人が隙を見せた時には穴蔵と食べ物を奪いとれるように。
どの小人も考えることは同じだった。
ある小人が、鋭く一度でも当たれば痛くて倒れてしまう石を集め出すと、皆その石を集め、いっぺんに多くの小人を倒すことのできる大きな石を集めれば、皆その石を集めだす。
次第にどの穴蔵も石で一杯になり、食べ物を置く場所がなくなってしまう。
自分たちが住む穴蔵が必要になった小人たちは、他の小人たちが住む穴蔵を奪おうと考えた。
どの小人も考えることは同じだった。
穴蔵の石が無くなるまで小人たちは集めた石を投げ合った。
何年かした後、石の山と幾つもの空っぽの穴蔵だけが残り、小人たちは姿を消しましたとさ。
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