ルルル
ハレ
プロローグ
プロローグ
とある街の、とあるお家の2階の窓辺。
小さな女の子が、満天の星が煌めく夜空を眺めていた。
「あかり、晴れてよかったね」
「うん!天の川すごくきれい〜」
今日は七夕。
運良く雲ひとつない。
「あ!」
「なに?ママどうしたの?」
あかりは隣に座る母の大きな声に驚き、丸い目をもっとまんまるにした。
「流れ星見ちゃった!」
「え!流れ星!?あかりも見たかった〜、、」
あかりは残念そうに顔をしかめた。
「知ってる?流れ星にお願い事をすると叶うんだって」
「本当!?」
「うん、消えちゃう前に3回唱えるんだよ」
「よーし、あかりも絶対流れ星みつける!」
再び星空を見上げてしばらくじーっと眺めていると、ついに一筋の光が流れた。
「あ!!」
あかりはギュッと目を閉じ急いで願い事を呟く。
「王子様が迎えにきますように王子様が迎えにきますうに王子様が迎えにきますようにっ、、、、、
ふぅ、、これで王子様きてくれるかな?」
「あかり、短冊にもそれ書いてたよね?」
「うん!だってね王子様ってすごいの!かっこよくて、優しくて、困ってたら助けてくれて、お城に住んでてお馬さんに乗ってて、すっごくかっこいいんだよ!」
「そっかぁ、あかりの王子様はどんな人かな〜」
あかりの母はふふっと微笑み、楽しそうに揺れる小さな頭をそっと撫でた。
「ママもあかりも流れ星見れたなんて今日はラッキーだ。きっとお願い叶うよ」
「うん!」
あかりは、側にあった御伽噺の絵本を抱きしめた。
とある街の、とある小さな少女の願い事。
その願いを乗せた流れ星が、地上へ向かって落ちて行った事に誰も気づいていませんでした。
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