第23話・いまのブリテン国
我が国ブリテンにも戦闘部門がついにできた。各所の立場は同盟関係を除けば以下の通り。
王様:プレイヤーアーサーとクラレント姫。
大臣:クラン『シミュレーション大臣陣』。大臣リーダー『アグル』。サブリーダーは財政大臣、軍事大臣、外交大臣に分けられる。
ギルドブリテン支部支部長エレーナ。各ギルトマスターに冒険者ギルドが全体を纏めて魔導、狩人、薬師、教会、テイマーが組み込まれている。
NPCでクラレントの次に偉いのはエレーナさん。その同期に各大臣。上にアグルさんというところ。俺? 俺は最初の責任者、いずれ手放したいが今ではないし、俺が降りるには大勢のプレイヤーが納得させないといけない。
やはりというか、一人でここまでやったのなら、やれるところまではやらないといけない。関係者は全員納得してくれている。
ここで俺の国やとか、プレイヤー至上主義とかいう奴が現れたら困るので、しばらくは俺に旗持ちして欲しいとのこと。クラレントもいるしね。
ちなみにクラレントは宣言しているが、俺以外は呪うという。だから指輪を貸したり渡したりはできない。
後は各自クランやプレイヤーがいるくらい。
こうして各王国にブリテン復興と領土の宣言を書簡に書き込み、各地にエルフの湖畔国を通して流す。問題は起きないとのこと。
領土問題になりそうなエルフ湖畔国が問題ないと言った時点で、領土の問題はないとのことだ。ドワーフと人間からは長い手紙がついた。少なくとも両国は静観する姿勢のようだ。
ギルドも公開されて、新たに作られた部隊などが活動を開始する。
キラーキル戦闘部隊。剣(つるぎ)、斧、弓、槍、槌、盾、騎馬の部隊を作った。弓以外が鉄鉱モール、ヌイシロクマー、ハチクマ兵士が混ざっている。
騎馬はシープウルフに乗るオオカミライダー達であり、かなり強い。
騎狼になったテイムモンスターに乗り移動。短剣などを投げて攻撃する。かなり安定した部隊である。
剣、斧、槍、槌は前衛攻撃部隊。一撃を心掛け、数多くのモンスターを倒している。
盾はヌイシロクマーの部隊。大盾を構え、タンク職になったものが揃う城壁の部隊。大型モンスターの突進すら受け止める。人気部隊だ。
そして弓、我が軍最強の軍隊である。
一矢にて一殺する必殺の軍勢。心掛けられた一撃が一番強く、これによりモンスター退治はかなりはかどっていた。
次は魔法部隊と研究者。研究グループは人魚が多かったが、最近は数多くのプレイヤーが入り、部署が分けられている。
魔法による科学実験、魔法の研究、魔導道具の研究。戦闘人形製作など。多岐にわたる。魔法部隊は攻撃専門であり、こちらはまだ成長段階。数多くの使い手が所属。
はぐれ部隊として格闘家になったヌイシロクマーがいる。その中で一人、フローラ様の護衛部隊にスカウトされて、従者として鍛錬している。
腕や腹に刃物を突き刺されても怯まず、タックルと巨腕による一撃。サブミッションによる攻撃など得意としている変わり者。現在は闘気術を学び、拳技にて斬撃を放つ。名前は『グッピ』とフローラ姫に付けられた。
その他では鍛冶部門があり、鍛冶による武装の強化、生産を受け持っている。
他に細かいところだと漁船部隊や大工部隊など、細かい部隊があるが、その辺りは任せている。放置しているとも言う。
現在の国の方針は、外貨稼ぎ、未発見領域探索、ダンジョン成長である。
外貨稼ぎは畑の量産や土地の開拓が主な仕事となり、いまも第二城壁を作りながら製作が続いている。資金も尽きないよう、国主体で物を作り売っているところだ。最近だとぬいぐるみ製作してる。売れるんだ。
ドワーフ火山国から金銀鉄の鉱石を売ってくれと依頼が来ているため、大量に流しているところ。石材も求められているため、適度に売る。
距離がある王国は静観の状態。なにも無ければいいが。
最近だとシープウルフの毛も安定し出し、国益を出しているところだ。戦闘もできるため、皆の母であるハハは仕事に忙しいが、お兄ちゃんになりつつある息子達の教育も忘れていない。しっかり育っている。
ブリテングリフォンである彼らもまた、乗り手を見つけ出して背中に乗せて活躍している。ヤム君がまさかの担い手になり、一撃が凄まじいことになった。
「ですがまだまだ、どんな敵が来ても一撃で倒せるよう精進します」
『その通りですよトム。ブリテン兵士ならドラゴンですら一撃で倒しましょうね』
「はい!」
ドラゴン。いずれ攻めてくるのか? 対策しなきゃ。
お金が入るが消えるのも早い。土地売って稼いだりしているが、それもいずれ終わる。気を付けないといけないな。
いま一番売れるのは金鉱石と銀鉱石か? 太鼓とフルートも量産しないといけないし、忙しいったらないね。
それでも時々釣りに出かける。『オメデタイ』という魚で釣れた時は嬉しかったし美味しかった。また釣ろうと思う。
「ふう」
国のまとめを作り終え、俺は一息つく。なんだが一国の王様になってしまったが、始めたのは俺だ。やれることはやらないといけないし、はっきり俺の国だと言っておかないといけない。
いらないのなら俺に寄越せというバカが出てくる可能性があるため、俺には責任がある。まあなによりやっぱり、楽しいんだから仕方ないよね?
「支えてくれる人もいるし、これからも頑張ろう」
そう決めて、書類を纏めて提出する。この国はしっかり形になりつつあるとプレイヤーにアピールしなければいけないからね。頑張ろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます