第40話 文化祭当日。
朝から学校はたくさんの人でにぎわっていた。今日は外部から来ている人も多い日なので、警備もいつもより多い。カップルや高校生など年齢層は様々だ。中には有名どころの放送局なども来ているらしい。まあ、マスコミ関係者は信用されていないのか学校内には絶対に入れないそうだが。
俺は前半に店番をして後半に自由行動なので少し朝早くから準備をしていた。
元々は誰ともまわらないつもりだった。だが、昨日の柊との約束を取り消してからの放課後。
教室に残っていたのは俺と奈々だけで、何もしゃべらず気まずい雰囲気が長く続いた。その時、ふと柊の言葉を思い出した。『奈々ちゃん、まわる相手決まってないみたいだけど?』その言葉を聞いた時俺は、奈々には俺以外の男と一緒にまわってほしくない。と思った。俺が一人自問自答していると気まずい雰囲気に耐えられなくなったのか奈々が先に口を開いた。
「陸斗君....もし良かったらなんだけど....明日、一緒にまわってくれない....?」
「....いいぞ。分かった。」
「うん。無理だよ…ね…?え?いいの…?」
「ああ。いいぞ。俺もまわる相手、いなかったからな。」
「そ、そう…?ありがとう。明日、よろしくね。」
奈々は嬉しそうに笑顔で言うと、教室から出て行ってしまった。奈々が誘ってくるとは....。一緒にまわる…ね…。…。まあ、結果としてはいいのか…。約束を奈々は覚えているだろうか。覚えていないのなら、俺はただのしつこい奴か…。
俺は空を見上げながら学校を出て帰宅した。
「陸斗~?ボーっとして手が止まってるよー。」
「ん?あ、ああ、すまない。考え事をしていただけだ。」
「そっか。体調不良とかじゃないならいいや。もう始まるからさ。」
「分かった。」
前半、俺たちのクラスは大盛況で終わった。前半が終わった瞬間、後半組と交代する。少し休憩が入った後、後半が始まった。俺は奈々を連れて校内をまわる。
......。さっきから俺たちに向けての視線がすごい気がする。皆、俺と奈々を二度見して去っていく。睨んでくる者もいれば、羨ましそうにみる者。何かを見据えた目で見てくる者。様々だった。俺はそんな者たちの視線から守るように奈々の手を引き俺へと寄せた。
その後、2人でいろんなクラスの出し物をまわり、後半が終わった。文化祭の片付けが終われば冬休みだ。後半の終わりの知らせが鳴り、外部から来た人々は皆帰って行く。人がいなくなったところで俺は奈々に一言声をかけて片付けにへと向かった。
前半が終わって、私たちは後半組と変わった。陸斗君が私の手を引いていろんなクラスの出し物にへと連れて行ってくれた。途中で、沢山の視線を感じたけれど陸斗君が守ってくれて私はとても嬉しくて恥ずかしくて、ドキドキして堪らなかった。
後半が終わって外部の人たちが帰った後、陸斗君は私に声をかけてくれた。
「奈々、今日はありがとう。楽しかった。明日、家に迎えに行くから。待ってて。」
私はそう言われてから声をかける暇もなく陸斗君は片付けにへと行ってしまった。今日、私が文化祭に陸斗君を誘ったのは瑠璃から後押しのような事を言われて、諦めるのは言ってからにしよう。という決意ができたから。思い切って陸斗君を誘ってみれば一緒にまわることを承諾してくれた。陸斗君はいろんなクラスの出し物に連れて行ってくれた。とても楽しかったしお礼を言いたいのは私の方…。でも、陸斗君が最後に言った言葉は私にとって文化祭をまわってくれたことより、嬉しいことだった。
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