発達障害と共に生きた記録

finalphase

はじめに

 私には発達障害がある。主に、自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠陥多動性障害(ADHD)の二つだ。

 ASDは対人関係の困難さ、興味の偏り、同じ行動を繰り返す傾向などが特徴で、ADHDは文字通り、不注意や多動性、衝動性が目立つ障害である。


 正直に言うと、これらの特性によって人生が辛いと感じる場面は決して少なくなかった。

 大切な書類を何度も忘れてしまったり、空気が読めずに笑われたり…。

 さらに、とても重い話になるが、自殺未遂を経験したことも複数回ある。


 そんな出来事を文章として残そうとは、これまで考えたことすらなかった。

 しかし、「人はいつ何が起こるか分からない」と思うようになり、自分という人間が確かに生きていたという記録を、どんな形であれ残しておきたいと思うようになった。

 今の私自身、日々を無事に生き延びるだけで精一杯の状態なのだから。


 そんな私には、ひとつ大きな夢がある。

 それは、後世に残る文章を残すこと。

 400年後、500年後の未来でも読み継がれるような、そんな文章を書いてみたい。


 私の人生は、正直に言えば全く順風満帆ではない。

 一般的に「思想」や「哲学」は、人生で一定の成功を収めた人間が書き残すものだと思われがちだ。

 しかし、私はそのような偉人とは程遠い存在だ。


 けれども、発達障害を抱えた人間が何を考え、どんな気持ちで生きてきたのか――それを知ることで、未来の誰かがよりよく生きるためのヒントや工夫を見つけられるかもしれない。

 そう考えると、私には私にしか残せない記録があると思える。


 この文章では、私が経験してきたこと、そして日々どんな考えを抱いて生きてきたのか――その思想や哲学を、言える範囲で全て書き記すつもりだ。

 これは「自分という人間が確かに存在していた証」を残すための文章であり、感じたことを素直に書き連ねていくつもりである。


 辛い記憶に触れることで筆が止まる時もあるだろうし、執筆が長期間進まないこともきっとある。

 だから、この文章は不定期の更新になると思う。


 もし私の価値観や経験に何か共感を覚えてくれる方がいたなら――応援していただけると、とても嬉しい。

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