第20話 もうすぐ助けが来る??
あの時、撃たれていたんだ!
「おにぃ! おにぃ! しっかりして!」
おにぃの身体を横たえ、必死に呼びかけると、うっすらとそのアンバーの瞳が開いた。
「大丈夫です姫様……ここで時間を稼げれば…もうすぐ助けが来ます。聖下だけは必ずお助けいたします……」
「いやだ! いやだよ、おにぃ! 死んじゃやだ!」
そこでおにぃの目が閉じられた。呼吸を確認したら、まだ息をしている……気絶したみたいだけど、このままじゃ本当に死んじゃう!
「きゅっ救急車!」
リュックやおにぃの上着を探るが、スマホは見つからない。
だが、大柄なおにぃを担いで山を下りることは不可能だ。
「村に戻ろう!」
集落までもどって、電話を借りて救急車を呼ぶんだ。
シェルターの蓋を開け、地上に出ると人影が見えた。
「あ~見つけた! 桜田さん!」
ビクンと大きく身体が跳ねた。
この声は……
「笠原くん……なんで…」
私にまるで予言のような内容の自作小説を見せた同級生が、何故かこんな山奥にいた。
「君が行方不明になってから、探せって駆り出されたんだよぅ。お前だったら警戒されないし顔を知ってるからって……さっき、別荘にも行ったのにもう移動した後でさぁ~で今はここにいるって指示されて……●ーグルマップ見ながら必死に追いかけてきたんだよ?」
「貴方……モーリス神側の…!」
「違う、違う! 僕は君のために、女神側の異世界人の手助けをしてたんだよ。」
「女神側?」
「あれ? 元奴隷のニセお兄ちゃんに聞いてないの? 異世界から本当のお兄ちゃんが助けに来るって。僕がそのお兄ちゃん…つまり王子様に君の髪が金髪だって教えたら、妹だって確信したんだって。だから異世界に連れて帰りたいけど、ニセお兄ちゃんに変な事を吹き込まれてないか心配だって言うから、真実を教えるために君に小説にして読んでもらったの」
そういえばさっきおにぃは、もうすぐ助けが来るって言ってたような……
「あんなの嘘っぱちじゃない! おにぃはモーリス信徒の間者じゃないわ!」
私を命がけで守ってくれたのよ! あんな大けがまでして…!
「小説的にスパイスが欲しくて~~でも死んでも問題のない、最下層の奴隷なんでしょ?」
何言ってんの! この勘違いキモ男! ののしってやりたいけど、今はそんな時間はない。
「その助けはいつ頃くるの!」
それならおにぃを助けて欲しい!
「異世界を渡れる【ゲート】のブレスレットがモーリス神徒から1本しか取れなくて……それを使って連絡係の家来が僕と王子様とをつないでいたんだけど、この前、10本手に入れたって言ってたからもうすぐ来るよ」
「……それってモーリス側から盗んだってこと?」
「ん~良く知らない」
なんだか聞けば聞くほど、怪しいんだけど……
とにかく助けを呼ばなきゃ! 早く山を下りよう。
パン!パン!
突如、銃声が響いた。
遠くに追手が……別荘で殺し損ねた男たちがこっちに向かってきているのが見えた。
もう姿を見られてしまったから、シェルターに逃げ込んでも意味がない。
それに中には、動けないおにぃがいる!
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