第8話 クリスマス

2024年12月24日 都内某所

仕事を終え、クリスマスのイルミネーションで飾られた渋谷の街並みを歩く。


"ヨシモト ヒロキ"こと"ヒロくん"の行方が分からなくなって、

あたしの中で、「どこかで、元気でやってるといいな」と思うようになった。


振り返れば、2018年のクリスマスに出会ってから、4年間。

都合のいい女なのか、彼女なのかよくわからない関係だったけど。


ヒロくんがあたしの為を思って言ってくれた言葉だったり、行動だったりは全て記憶と心の中にある。


2022年にあたしは、ヒロくんではない別の人と付き合った。

ヒロくんとは18歳歳の差だったけど、次の人は14歳歳の差だった。


ただ単に、ヒロくんに対する穴埋めをその人で満たしてだけかもしれない。


その人はバツイチで子持ちだった。

あたしは、細かいことを考える余裕もなく、ただの穴埋めでその人と付き合ってた。


翌年には籍を入れ、更にその翌年には挙式を挙げた。


でも、どこかでヒロくんの穴埋めをしてた。それを自分でも感じるようになったけど、仕事の忙しさで相殺してただけかもしれない。

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