命を戻す者 〜転生先でかなり大きめの“異常”でした〜
It's so me
第1話 終わりじゃないよ
俺はどこにでもいる普通の高校生
夏休み期間中の部活動が終わり、下校していたそのときだった。
「グサッ」
痛い、痛い、痛い、痛い。
目を背けた人が俺の周りから消えていく。
通報してくれている味方もいる。
「……マジで、ここで終わりかよ」
気合いを入れて踏ん張ろうとしても力は入らず、膝が勝手に落ちた。耳鳴りがひどい。世界が遠ざかっていく。
遠くで誰かの声がするけれど、もう意味として捉えられない。
暗くなる視界の中で、ひとつだけはっきりとした感覚があった。
――ああ、冷たい。
――でも、どこかで温かい。
身体が倒れる瞬間、「死」に落ちていくはずだったのに、沈み込む先は闇ではなかった。
白い空間。音も影もない、真っさらな世界。
「終わりじゃないよ」
声がした。
振り向けば、光の粒が人の形を作っていく。
「君はここで死んだ。でも、それで物語が止まる必要はない。
――選ぶんだ。新しい世界で、もう一度やり直すかどうか」
意識はまだ朦朧としている。でも、はっきり分かる。
これは最期じゃない。次がある。
「転生、するってことか……?」
目の前に現れた大きな扉が開く。
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