死にゲー転生~世界を攻略し、殺し、生き返らせる。170センチ以上の高身長でスタイルが良い美人と~
叡比子 雄女我(えびし おめが)
第1話 生まれと異世界は選べない
おそらく死んだはずではあった。
はっきり覚えてない。
しかし、最後に覚えている動作は空を見上げたこと。
その理由は急に周囲が暗くなったと感じたことからだ。
見上げた先には巨大な鉄骨。
それが頭上に落ちてきていたわけで、咄嗟に避けるとかそういったことができる距離ではなく、瞬間的に「ああ、こりゃ、終わったな」と、なぜか冷静に判断できていた。
むしろ、その死んだであろう過程を思い出せないことは幸運な気がする。
前にたまたま交通事故現場に居合わせたことがあるが、そのときの人は当たりどころが悪く、少なくない時間、多大に地獄を味わっていたように見えた。
そういう意味でも、
死んだはずなのに何故かこうして身体の感覚があるという意味でも、幸運だ。
――なんだここ?
――マジで怖いんだけど。
辺りは、暗く、重々しい。
たぶん牢の中だ。
だが、およそ人が定期的に管理しているような状態には見えない。
まず天井に穴が空いている。
そこから空が見え、光が差し込んでいる。
空いた穴から風雨が入り込んでいるようで、粗雑な石床はえぐれ、牢を閉ざす鉄格子は所々が錆びていた。
空は空なのだが、爽やか元気で「よし、今日も人生頑張るぞい!」と快活な気持ちになれる青空ではなく、牢の中を照らす程度には明るいのに、赤?黒い?ような空だ。
何を言っているのかわからねーと思うが、オレの乏しい表現力ではこういうふうに表現するしか無いのだ。
意味不明な状況と様子に頭がおかしくなりそうだ……。
そして、さっきからその意味の分からなさに拍車をかけ、さらに恐怖も足しているのが、謎の視界の悪さと牢の同居人だ。
妙に目から入る光が弱いように感じたと思えば、なぜだか視界が狭い。
これは、何かを被っている?
両手で自分の頭を触ろうとすると、冷たい感触があった。
どうやら鉄製の兜を嵌めているらしい。
いや、なんでだよ。
重いし、苦しいので取ろうとしたが、外れない?!
いや、なんでだよ!
何度も外そうとしたが、本当に取れない。
というか、外そうとすると何か痛い。
兜、たぶん触っている感触から西洋風のものと予想できたが、こういったものはあくまでも被っているもので、特別に強く固定しないと思うのだが、なぜか私の着けている重りはびくともしない。
謎の鉄仮面にされている現実にため息をつき、さらに頭の痛いもう一つの現実に意識を移す。
(たぶん彼、は)気持ち良く睡眠あそばされているのだが、気持ち良くご起床あそばされることは無いだろう。
私の認識する『人』、『人類』に相当するものとして判断して良いのか分からないが、
まず、右腕と左脚に当たるものが無い。
そして胸に巨大な剣がぶっ刺さっている。
仰向けの彼の死の形相はすさまじく、真っ白い目をひん剥き、この世の全ての不満を吐き出すかのごとく盛大に口を開け、
痛みなのか、恐怖なのか、怒りなのか、
あるいはその全てを表現するような深いシワが顔中に無数に走っている。
いったいどういうふうに殺されたのか、想像したくもない。
というか、すでに吐きそうです。
少しあと、実際に吐き気が猛烈に襲ってきたが、兜の中にぶち撒けてヤバいことになるので何とか耐え、落ち着け落ち着け落ち着け、と延々に心の中で唱え続けること十数分以上。
ちょっとマシになり、冷静に思案してみてハッと思う。
「私の異世界ってこんな感じなの?」
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