3度目の正直。今世は異世界転生、上手くいくかな?

納豆ごはん

第1話 また失敗した。

『はぁ…また失敗した…』と私はまた思った。


 「ゲホッゲホッ」

ガシャンと食器が地面に落ちる音が食堂に響き渡ると同時に私は座っていた椅子から崩れ落ち、そのまま膝を付き、四つん這いなりながら、首を抑えながら咳をし始めた。

「鈴木さん!大丈夫!?!?」と遠くから叫びながら走って近づいてきたのは、学校職員の席で昼食の学食を食べているはずの小学校の担任の先生だ。生徒の席と学校職員の席は結構と遠いため、生徒に何かあると担任を持っている先生は結構本気で走らないといけないので、私の担任は結構本気で走ってきたのだ。

『苦しい、息ができない…』

私は今現在、昼食で食べていた学食のデザートに出てきた白玉ぜんざいの中に入っていた白玉を食べてそれを喉を詰まらせ命の危険を感じている。

ちなみに今日の学食のメニューは、今日は和食だった。先付にほうれん草の白和え、椀物に松茸のお吸い物、向付に刺身の盛り合わせ、焼き物に鮭の西京焼き、煮物に野菜の炊き合わせ、食事に松茸ご飯。水菓子に白玉ぜんざいというメニューだった。非常に美味だった。そのなかでも特に美味しく、好物に入る白玉ぜんざいの白玉で喉を詰まらせてた。

『いやね。学食の中で好きな物で喉に食べ物を詰まらすなんて…』と思いながら、担任が「鈴木さん!鈴木さん!」と私の名前を呼びながら担任が背中を叩く。叩いても全く咳の改善が見られないことから、「伊東さん!職員室行って、救急車呼ぶように言ってきて!あと、保健室行って養護の先生呼んできて!」伊東というクラスメイトに命じた。するとクラスの学級委員長である伊東という人は「えっ…わかりました。」と少し気怠げに教室を出た。

伊東という人が気怠げに教室を出たり、担任の先生以外が心配する様子がないのには理由がある。

クラスメイト全員が「そのまま、死ねばいいのに。」と思っているからだ。そのようにクラスメイトが思う理由は。

 『私がいじめの加害者だから…』

しかも、私はこのクラスのいじめ加害者のボスである。正直、私によるいじめ被害者はどれくらいか分からない。つまり把握していない。いじめた内容もイマイチ覚えていない。ほのなかでも覚えているのは、窃盗の命令や金銭要求だっり、他人のものを盗む貰う、身体的暴力、精神的暴力などといったものだ。しかも恐ろしいのは、主犯の私以外のクラスメイト全員がいじめの加害者と被害者ということだ。どういうことだと思う人いるかもしれない。つまりいじめがクラス内で回っているということだ。

ここまでのことをしていれば、学校内で問題視されたり、注意や罰則などあってもおかしくないはずだ。

しかし、私はこれらの対応を学校からは一回も受けていない。理由は四つ。

一つ目は財力。私が通っている小学校は超がつくほどのお金持ち学校。入学できる条件の一つにお金持ちは絶対条件であった。私は総資産は1000兆円以上と言われる世界屈指企業の会長に祖父をと持ち、代表取締役に父を持つ。そのため、私が問題を起こしても多額の寄付金で全て帳消しにできるのだ。

二つ目は権力だ。家が持つ権力と学校への寄付金の金額によって私たちの学校内の権力に直結する。要するに私がこの学校の事実的トップだということだ。それだけでなく。私の母は政治家だ。しかも現在、文部科学大臣であるため、私が問題を起こすと学校に圧力を掛けていた。寄付金同様に問題を帳消しにしていた。

三つ目は家柄だ。私の家柄は父は元財閥出身で母は元華族で直系の子孫に当たる。しかも、元華族の中でも最高位に当たる公爵出身だ。他の元華族出身の生徒もいるが、そのほとんどが、男爵や子爵が多く、その中でも私の学年には、華族制度がまだあった時代に私の家に支えていた家の出身の生徒も何人かいた。そのため、誰も逆らえないことから私の家柄は学校内でもトップクラスだった。

四つ目は財力、権力、家柄の全てを除いたもである、生徒本人の学力だ。私の学力は学年一位だけでなく、全国一位だ。これについては、私自身の努力もあるが、正確的には、前世の私が「学力の暴力」と呼ばれるほど勉強ができたためだ。このことだけは、前世の私に感謝した。

つまり、私は全て備わっていた。将来安泰と思っていたが、今世も調子に乗った結果、白玉を喉に詰まらせた。

『はぁ…また失敗した…』

『今世もまた…また…死ぬのかな?私。当たり前か。結局、今世も人をいじめたし。』

『白玉ちゃんと噛めばよかったなぁ。おばあさまに餅類はちゃんと噛むように言われてたのに…』と思いながら視界がボヤけて行き、『あっ…何も見えない…』と私の視界は真っ暗になり、そのまま…

バタンッ

「鈴木さん!鈴木さん!」と叫ぶ担任の声がだんだん遠のおいていった。

そして、私は今世も死んだ。


 「ここどこよ?」

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