絶滅危惧種は保護せねば

Yukl.ta

第1話:レッドリスト

絶滅危惧種(レッドリスト)とは、生存する個体数の減少により、絶滅の危険性が著しく高い生物種のことである。


例えば、食肉目ネコ科【バーバリーライオン】。

雄大なアフリカの大地の上で、豊かな黄金の鬣を風になびかせて野を駆けるその精悍な雄姿は、かつてのローマ帝国の英雄カエサルをも魅了したと言われている。

が、文明人の活動域の拡大に伴い、やがては住処を追われ、また、娯楽としての狩猟や見世物目的の捕獲によって徐々にその数を減らし、2007年の頃には僅か数頭が確認されるだけとなった。


例えば、ハト目ハト科【リョコウバト】。

鳥類史上最も数がいたと言われており、アメリカ全土でも50億羽がいると推測されていた。

この鳥の肉は非常に美味であり、食肉や飼料、さらには羽毛の採取の為に、卵や雛までも含めた無制限な乱獲が行われた。

さらに重火器の進化や交通・通信手段の発展がその乱獲に拍車をかけ、効率的な狩猟や捕獲が行われた結果、僅か数十年でその数は激減した。


一度は、保護すべきではないかという声もあった。

だが、それでもまだ莫大な数がいると推測され、乱獲は続き…。

そして、20世紀初頭。リョコウバトは、地球上からその姿を消し、絶滅したと考えられている。


これらの生物の他にも、トキやニホンオオカミ等の動物、ワタヨモギやアオヤギバナ等の植物が、絶滅危惧種、又は既に絶滅した生物として名を連ねていた。



そして今。

とある【生物種】が、この地球上から姿を消そうとしていた。

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