【超短編】「冬小僧の足跡」
「……あった。これはあの子のものだ」
実家の裏にある枯れ井戸。手押しポンプを覆い隠すように生い茂った雑草の脇に、子供の足跡がついている。
近寄ってみると、足跡の周りの土は凍て付いていて、ちょっとやそっと踏みつけたりするぐらいで足跡は消えそうにない。
──いつもより早く雪が降りそうだね
この足跡を見つけたら、数日以内に雪が降る。母親にそう教えてもらってから、この時期に彼の足跡を探すようになったのだ。
「あの人のところにも足跡をつけていったのかな」
随分前に別れた、私のかつての想い人。足跡の話をしても信じてもらえなかったけど、ついこの前、SNSでふと見かけた画像はまさに「あの子」の足跡だった。
あの画像を撮った人が、かつての想い人だったのかどうかは知るべくもない。
それでも、そのような画像を見るたびに私の胸には、甘くて切なくて、時には辛い想いが蘇ってくるのだ。
──哀しきは 夢の足跡 ちはやふる
〜了〜
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます