二章  アルジェンとの出会い。2


 ※※※


 暫くして、場所は移り変わる。

 此処はロストカ城。城下町の中心地に聳え建ち、深い掘と高い城壁に囲まれている。

 その城と城壁の間には、城の出入口から、南側の正門を繋ぐ舗装された道は、真っ直ぐに伸びている。

 周囲には広大な庭があり、庭木や芝生が植えてある。常に庭師によって手入れされ、年中を通して数々の花が咲き乱れており、宛ら芸術作品のようである。

 此処の南西側の端には、近衛騎士団の寄宿舎が建てられ、すぐ側には広場がある。

 その広場に私は来ていた。朝の食事や身支度を整えるや否や、息つく暇もなく父の後を付いてきた。

 広場では近衛騎士の兵士達の訓練がある。毎日の日課としており、武器の使い方や軍隊の規則を学ぶ。

 因みに私も父の言い付けで、武器の鍛練には参加を強制されている。

 今も大勢が各々の武器を手にし、目の前の一人に向かって順番に突撃していく。

 「遅い!」

 「ぐはっ?!」

 と一人の兵士が攻撃を鋳なされ、反撃を喰らって地面に倒れた。

 「次、!!」

 彼等の対戦相手は、私の父である。

 また他の兵士が薙ぎ倒され、膝をつく。

 さらに父は次の相手を呼びつけると、再び剣を構え直し、威圧的な気配を漂わせだした。

 対して次の兵士は向かい合う。しかし既に気圧されて動くのを躊躇し、最終的に破れかぶれで突っ込んでいく。

 次々と兵士達は向かう度に、容易く倒されていた。

 そのまま同じ様な光景が何度も繰り返され続けた。

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