短編集【夜】

しゃけごぜん

病室

 遠くに星がキラリと光った

 あぁ、これが私の最後に見る光景なのだろう

 明日は来ないのだから。

 今日寝てしまえば、もう明日は来ない。

 そんなことを思う

 私は毎日これを思う。

 病室のベットで、寝てしまう直前に。

 いっそのこと、思っていることを現実にしてほしい。

 もう、耐えられないのだ。

 こんなに苦しいのならば、寝て、そのまま安らかに逝かせてくれ。

 そんな事を考えていれば、眠れないのは当然だ。

 光が差し込むと、また、生きてしまったと、落胆するのだ。これは地獄だ、地獄のお話なんだ。

 この話を無責任に私を育てた奴に話すと怒られる

 だけど、私は言い返すんだ。

 地獄でなぜ悪い?地獄を味わってないものには分からないのでしょうね?と。

 そう言えれば……いいのにね。

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