吉沢但の明日はどっちだ ~28日目
吉沢のもとに封筒が届いた。
中には「好きヨ、〇月〇日どこどこで待ってるワ」と書かれている。
吉沢は封筒を手に取り、少し考えたあと、指示された場所へ向かった。
電車を乗り継ぎ、人ごみを抜け、約束の場所にたどり着く。
そこに女性がいた。
女性は緊張した面持ちで、口元をわずかに震わせながら、吉沢を見つめていた。好意を寄せる相手を前に、期待と不安が混ざった視線だ。
吉沢は女性の目をじっと見た。
目をじっと見た結果、目の下に小さく「嘘」と書かれていることに気づいた。
吉沢はすぐに言った。
「ふざけるな」
女性は声を上げずに泣き始める。
嗚咽をこらえ、手で顔を覆う。
「どうして……?」女性が震える声で問う。
「信じてたのに……」
吉沢は冷たく答える。
「不確かなものは信じられない」
はっきりと少し震えた文字で書かれた封筒は透明になってどこかへ消えた
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