エターナルワールドオンライン 〜聖者巡礼の旅路〜
薪叢炎欺
〜全ての始まり〜
〜大冒険の始まり〜
腐臭が漂う暗い部屋。生者を求めて発せられる怨嗟の呻き声が幾重にも木霊し、紫色の健康に悪そうなガスが充満している。足元には得体のしれない獣と人間と思しき骨が散乱し、部屋の至る所には僅かに蠢く物体が、不快な音を立てて徘徊している。
「ここが——『禁呪の墓遺跡』。あの時、偶然迷い込んだけど——今日こそは絶対に勝つ!」
腰にまで伸びる白髪、整った目鼻立ちに、細長く尖った耳を持つ男の声が遺跡に小さく響く。右手には粗く削られた木製の杖を持ち、腕に使い込まれた動物の皮が張られた小型の楯が下げられている。全身を若草色のローブで身を包み、頭上にプレイヤーを示す『ソラ』という名が浮かんでいる。
VRMMORPG『エターナルワールドオンライン』。世界で最もプレイする人口が多いと称される、ロールプレイングゲーム。その最新作が世界同時配信された初日に、真っ先にキャラクターを作成してゲームを始めたのが3日前。今日はリリース後初の土日という事もあり、どこもかしこも盛況だが——ソラが居る、この墓遺跡は不人気の様でプレイヤーの姿は見当たらない。
「何時までもここでボーっとしてても意味ないし、とりあえず先に進むとしよう『トーチ』」
左手の指先に魔力が集い、ボッと音を立てて小さな火が立ち昇る。周囲を僅かに明るく照らすその『魔法』はソラが『エルフ族』として最初から扱える『精霊魔法』の1つだ。ゴクリと喉を鳴らして、恐る恐る1歩を踏み出し——ソラは墓遺跡の調査を始めるのであった・・・。
☆★☆
2時間という時間をかけ——地下5階にある最深部の部屋の前に到着。墓遺跡を訪れたプレイヤーに対し、威圧する様にして存在するのは豪奢な装飾が施された巨大な扉だ。ゲームをあまりした事の無いソラであっても、この先は『危険な魔物』が存在しているのだと理解できる程、特別な雰囲気を発している。
「『満腹度』が減って来たし、パンでも食べておくか」
この墓遺跡の探索を開始して2回目。漸く最深部へと到達する事が出来たソラは一度メニュー画面を開いて、インベントリと呼ばれる所持品の中から『簡素なパン』を取り出し、咀嚼する。味も無ければ只々硬いだけの黒いパンは『満腹度』と呼ばれる数値を10%程回復してくれるというアイテムだ。
「ついでにステータスの確認もしておこう」
メニュー画面を操作し、自分のアバターを表示させ、今のステータスを確認した。
ソラ エルフ族 見習い神官 レベル5 満腹度 80%
基礎ステータス
攻撃力 5
防御力 10
HP 15
MP 20
力 5
体力 8
魔力 10
素早さ 5
幸運 3
装備
右手 見習い神官の杖
左手 皮の楯
頭 見習い神官の頭巾
胴体 見習い神官のローブ
腕 見習い神官の手袋
足 見習い神官の靴
アクセサリ
顔 なし
頭部 なし
右手 清貧の指輪
左手 【NO OPEN】
パッシブスキル レベル 効果
HP自動回復 5 1秒ごとにHPを1回復する
MP自動回復 5 1秒ごとにMPを1回復する
猛毒耐性 1 猛毒に対する耐性を得る
戦闘系スキル レベル
杖術 5 杖を装備時に扱いが上手くなる
楯術 6 楯を装備時に扱いが上手くなる
軽装 6 軽装の装備箇所が多い程、基礎ステータスの上昇率が上がる
生産系スキル レベル
調薬 5 薬や毒を調合する事が出来る
料理 5 料理を作った際に追加の効果を得られるようになる
釣り 1 魚を釣ることが出来る
修得魔法 レベル
☆神聖魔法 6 神官のジョブに付いている者が扱える聖なる魔法
☆精霊魔法 2 エルフ族が扱える自然を利用した魔法
神聖魔法 レベル6 消費MP 効果
ヒール 2 切り傷や打撲、食中りを治療し、3~5のHPを回復
プロテクト 3 対象を光の膜で包み、受ける攻撃ダメージを軽減する
キュアポイズン 3 毒の状態異常を治す
ライトボール 3 光り輝く球で対象を攻撃する
ターンアンデッド 5 不死の存在を天界に送る
精霊魔法 レベル2 消費MP
トーチ 1 小さな火を指先に灯し、周囲を仄かに明るくする
ピュアウォーター 2 指先から小量の水を出す
ソフトウィンド 2 指先からそよ風を発生させる
「よし。この3日間の特訓の成果を示してやる!」
扉に手をついて——思い切り押す。軋んだ音と金属が擦れる不快な音が図遺跡の中を木霊し——仄暗い部屋の奥から、強烈な腐臭がソラの眼と鼻を刺激した。ソラは一度深呼吸をして気合を入れると、そのまま部屋の中に向けて走り出す。
等間隔に並んだ燭台に青白い炎が灯り、侵入者を逃がさない様にと大きな扉が勢いよく閉まる。ソラの走る足音が広い部屋の中に木霊する中、部屋の中央部に辿り着いた辺りで全ての燭台に炎が灯った。
「オオオオオォォォォォ!!」
部屋の中心に魔方陣が出現し、その中からボロボロのローブを羽織ったスケルトンが姿を見せる。手には立派な装飾の杖が握られ、頭には金の刺繍が入った王冠らしきものを被っている黒色の骨をしたアンデッドだ。侵入者であり生者でもあるソラに向け、怨嗟の混じった嘆きの雄叫びを上げ手に持つ杖を振るった。
「『プロテクト』、『ライトボール』」
スケルトンが振るった杖を、光の膜で覆われた皮の楯で無理やり受け流し、即座に攻撃魔法を放つ。視界の隅に300秒という数字のカウントダウンが始まり、弱点の光魔法によって1割ほど削れた敵のHPバーを確認する。
対するソラの減ったHPの数値は5だ。パッシブスキルによってHPが1ずつ回復を始めたのを確認し、ソラは戦意を昂らせた。
(3日前はプロテクト越しの楯で受けた攻撃でも、9ダメージを受けていた。これなら勝てる!)
レベルを上げれば強くなる。RPGゲームの『当たり前』な事でさえ、余り良く理解していなかったソラ。マップ機能すらよくわからないまま、森の中を彷徨い偶然見つけたこの墓遺跡。徘徊する魔物に見つからない様に隠れながら進み、訳も分からず最奥へと辿り着いたサービス初日の夜。
怖いもの見たさで、この部屋に入り悪戦苦闘しながらも何とか粘りつつ——HPを半分まで減らした直後に受けた『猛毒』という名の状態異常。一瞬にしてHPが砕け散り、気が付いた時には最初の村で蘇った記憶が掘り起こされる。
「よし。回復完了!」
スケルトンの攻撃を避け、HPがパッシブスキルで全回復したのを確認し、再度攻撃を仕掛ける。杖の先端から光魔法を2発放ち、HPを1割減らす。残り8割となり、緑色だった敵の体力が黄緑に変わると——今度は敵の杖の先端から黒い球体が放たれ始めた。
「おっと!その攻撃は効かないぜ!」
一直線にソラに向けて放たれる敵の魔法攻撃。距離を取って走り回りながら魔法攻撃を避け、隙を見て接近し杖で叩いたり、光魔法を放ったりと一方的に攻撃を当て続ける。
視界の隅にあるカウントが150秒を切ったので、再度自分に『プロテクト』の魔法を掛け直し、そろそろ敵のHPが半分を斬りそうだという所で、一旦攻撃の手を止め敵に向けて一直線に走っていく。
「おりゃあああ!!」
気合を入れて、脇目もふらずに一直線に駆けるソラ。敵の放った魔法攻撃を楯で受け、僅かにHPを減らすも——構う事無くアンデッドの横を通り過ぎ、振り向きざまに杖で後頭部を殴打した。
「ガアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
ブシュウウウウウウウウウウウウウウウウ!!
HPが半分を切り、黄色に変化すると同時に——アンデッドの足元から赤黒い禍々しいオーラが立ち昇る。そして今まで仄暗かっただけの雁高に青紫の炎が灯ると・・・アンデッドの持つ杖から毒々しい色の煙が勢いよく噴き出し、部屋全体を覆い尽くす。
「あぶね!180度くらいかと思ったら、270度も毒の霧が噴き出すのかよ!」
紫色の煙は滞留する事無くその場に留まり、部屋の床がポコポコと泡立つ毒の沼に変わっていく。安全なのはアンデッドの背後にある僅かな空間を残すのみ。『猛毒耐性』を持たないプレイヤーでは、かなり厳しい戦いとなる事間違いなしだ。
「だが、俺には関係ない!この時の為に、過酷な訓練をしてきたんだ!」
ソラはこの2日間をかけ——自作した『猛毒薬』を服用し、『猛毒耐性』を獲得した。味覚が何度も崩壊し、胃の中が幾度もひっくり返った様な激烈な痛みに耐え、必死に神聖魔法を使ってHPを回復して、漸く手にした耐性。それは、このアンデッドが吐き出すこの霧に対抗する為の唯一の手段だったからだ。
「うおおお!!」
思い切り息を吸い込み、毒の霧の中へ駆け出していく。マッサージチェアに座った時の、独特なピリピリとした感触を全身に感じつつ——恐る恐る視界の隅に映る自分のHPを確認。1ダメージも受けていないことを確認し、思わず笑みを浮かべながら・・・ソラは、教会で教わった通りに、攻撃を再開した。
「『ヒール』!」
「ガアアア!?」
『赤黒いオーラに包まれたアンデッドには、普通の攻撃魔法は効果が薄くなる。死者の嘆きや怒りが強くなり、魔法に対する抵抗力が上がるのだ。なればこそ我らの——いえ、女神の祈りの結晶である『回復魔法』を使うのです』
教会に勤めるエルフの神父からの助言に従い、ソラは回復魔法をアンデッドに放った。僅かにHPが削れ、苦悶の声が霧の奥から木霊する。
「よっし!効果はある!このまま削りきってやる!」
ライトボールよりダメージは低いものの、それでもしっかりとHPが削れていることを確認したソラは——それでも集中力を途切れさせず、MPを常に最大を意識しながらヒールを撃って行く。黄色かったHPが橙色に変化し、遂に残り2割を示す赤色に変わった瞬間。
「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
「まじかよ!?霧が濃くなった上に、妙に素早くなっただと!?」
ソラのHPが1ずつ減少を始める。パッシブスキルの回復上限を上回るスリップダメージによって、HPダメージを受ける様になったのだ。更に霧が濃くなった影響で視界が悪くなり、敵の姿が視認しにくくなる。その上敵の動きが若干早くなり、杖に赤黒いオーラが宿っているのだ。
「『プロテクト』——。このままじゃジリ貧だ。最後は意地でも勝ってやる!なら、接近戦しかないよな!!」
ソラは非常に温厚な性格の持ち主だ。争い事が苦手で、戦闘も相手を傷つけるのに躊躇いを覚えてしまう程。だが、村で聞いたアンデッドの話を思い出し、教会の司祭から託された願いを叶える為にも——此処で引くという選択肢はない。
「やってやる!俺はアンタを救ってみせる!!」
気合を入れ、杖を構えたソラは——煙の奥から姿を見せたアンデッドに対峙し、勢いよく杖を振るって接近戦を始める。森の中で猪や兎、蜂といった魔物と戦い、この遺跡内でも人型のアンデッドを相手にしてきたからこそわかる。
目の前のアンデッドはこれまでの魔物とは一線を画す『強敵』であるという事。振り下ろされる敵の攻撃を半身になって避け、ボロボロのローブに杖を叩き込んで即座に後退し様子を伺う。
(硬いな!鉄板でも殴ったのかと思ったぞ!それにHPも全然減ってない!)
「『ヒール』!」
毒によって減ったHPを魔法で回復し、再度アンデッドに接近する。喉の奥がヒリヒリとし、呼吸が荒くなる。恐怖を押し殺し、ソラは懸命に杖を振るってアンデッドと対峙し続けた。
(何分経った?MPは大丈夫。HPもまだ平気。このまま押し切——)
アンデッドの攻撃を避け、大きく踏み出そうとしたとき、足元の沼に右足を取られ——盛大に体勢を崩してしまう。
「しまっ——」
「ガアアアアアア!」
大きく振りかぶったアンデッドの杖が、ソラの腹部に突き刺さる。大きく吹き飛ばされて、遺跡の床を何度も転がりながら・・・ソラは視界の隅に映る自分のHPを確認する。
「ゲホ・・・ゴホ・・・残りHP3!?」
周囲の毒によって1のダメージを受け、2へと数字が減少する中、敵のアンデッドが凄い勢いでソラに迫る。だが敵の頭上に浮かぶHPも残り僅か。
「こうなれば賭けに出てやる!『ヒール』!」
残りHPが1へと切り替わった瞬間、ソラは躊躇いなく敵に向けヒールを放ち最後の攻撃を仕掛けた。
「ガアアアアアア!!」
そして・・・アンデッドが眩い光に包まれる。ソラは賭けに勝った事を喜ぶ様に、光に包まれたアンデッドに向け教会で買った魔法を行使した。
「死してなお闇に囚われし魂よ!女神の名の下に相応しき罰を与えん!『ターンアンデッド』」
アンデッドの足元から清廉な光が立ち上り、赤黒いオーラが消えていく。徐々に光量を増していく光。毒の霧が晴れ、HPの減少が止まり、ホッとしていたソラは、ハッとした表情でインベントリから1つのアクセサリーと回復用のポーションを取り出す。
「届けぇ!」
地面に横たわったままの姿勢で、精一杯の力を込めてアクセサリーをアンデッドに目掛けて投げる。回復用のポーションを体に振りかけてHPを回復しつつ、アンデッドの動向を見守る。
乾いた音が数度鳴り、光り輝く柱の近くにアクセサリーが転がる。転がる途中で石片に当たり、アクセサリーの留め具が外れ、アクセサリーが開いた。
その中には仲睦まじい一組の夫婦と、幼い娘の写真が収められていた。
「アーシア、ミーティア・・・あぁ。僕の愛する家族。僕の大切な人達。君達を助けられなかった私を赦してくれ」
赤黒いオーラが消え去り、アンデッドの肉体が生前の姿へと戻っていく。地面に転がるアクセサリーを手に取り、神に祈りを捧げるように腕を組んで黙祷を捧げると・・・
「貴方が私とこの子の為に、病魔の研究を頑張っていた事は、家族である私たちがよく知っているわ。さぁ、研究で疲れたでしょう?あっちに貴方の大好きなボア肉のパイとラモネードを用意したわ!」
「パパ!私達の為に、頑張ってくれてありがとう!お疲れ様!」
アンデッドの背後から、写真と同じ姿をした親子が姿を表し、アンデッドに向け優しく手を差し伸べる。話の流れ的に奥さんのアーシアさんと、子供のミーティアさんだろう。
「僕を、赦してくれるのかい?病魔から救う事が出来ず、君たちを喪い『死者を蘇生』すると研究を始め、魔に堕ちてしまった・・・この私を?」
「魔に堕ちてしまったのは、私達の死が原因だけれど・・・それでも貴方の研究は後世に残り、沢山の人の手を通して完成し、沢山の人の命を助ける事が出来たわ」
「パパが頑張ってくれたから、病魔の研究が大きく前進して、お薬もできたんだよ!だから、もう休んでいいんだよ!」
「そうか・・・そうだったのか。ならば私の行いは間違ってはいなかったのだな」
滂沱の涙を流し、震えるアンデッドに寄り添う。結果的に魔に堕ちた事は変わらないけれど、それでも研究が役に立ったのは事実なのだ。奥さんとお子さんの手を握り立ち上がったアンデッドが、晴れやかな表情を浮かべて・・・ソラのいる方向に、向き直った。
「ありがとう。若き同胞の少年よ。君のおかげで私は家族と再会できた。魔に堕ちてしまったのは申し訳ないと思っているけれど、それでも私の研究が沢山の命を助けたと知って、浮かばれる様な気持ちだよ。ささやかながら僕からの礼として、生前の装備一式を君に譲ろう。どうか役に立てて、多くの人を救って欲しい」
親子3人が、深々と礼をして——空へと昇っていく。暖かく、優しい光に包まれて、3人が消えた。
『ワールドアナウンス ダンジョン名【禁呪の墓遺跡】をプレイヤー名【ソラ】が単独クリアを達成しました!報酬として『シリーズ装備』を配布します』
ソラの目の前に、豪華な装飾が施された、大きめの宝箱が出現した。同時に・・・怒涛の勢いでバトルログが流れていく。
・ソラのプレイヤーレベルが上昇しました。
・HP自動回復のレベルが上昇しました。
・MP自動回復のレベルが上昇しました。
・猛毒耐性のレベルが上昇しました。
・杖術のレベルが上昇しました。
・盾術のレベルが上昇しました。
・軽装のレベルが上昇しました。
・神聖魔法のレベルが上昇しました。
【禁呪の墓遺跡】を単独で攻略しました。報酬として『シリーズ装備一式』と『アクセサリー枠解放チケット』を配布致します。
『アクセサリー枠解放チケット』を1つ入手しました。
【禁呪の墓遺跡】のワープポイントを解放しました。ミニマップからいつでも転移が可能になります。
【禁呪の墓遺跡】のボス『悪に堕ちし聖者リスケス』リポップ時間:168:00
「やった・・・勝てた!」
レベルが上がった事で、消耗していたHPやMPが全回復し、毒の沼地が消え去ったのを確認して、ゆっくりと立ち上がったソラ。目の前に置かれている宝箱を、ワクワクしながら開けて・・・『シリーズ装備一式』を手に入れた。
シリーズ装備一式『聖者巡礼』 解除段階1/5
聖者巡礼シリーズ 強化に必要な条件
0/500,000 必要経験値
称号『慈悲深き者』
聖水『中品質』10個
聖域発動時間10時間
シリーズセット効果
攻撃力 10
防御力 10
HP 10
MP 10
力 5
体力 5
魔力 5
素早さ 5
幸運 5
女神の杖 与えたダメージの1割のHPを回復する。
天使の大楯 装備者が持っている『耐性』の数だけ、大楯の性能が上がる。
耐性別効果 猛毒耐性:リジェネレーター 装備者のHPを毎秒5ずつ回復する
未修得耐性 麻痺耐性:石化耐性:火傷耐性:凍結耐性:呪い耐性:魅了耐性:沈黙耐性:暗闇耐性:混乱耐性:
聖者の冠 神聖魔法の威力が10%増加するが消費MPも10%増加する
聖者の法衣 致死量のダメージを負った際、1日に1度だけHPが1で生き残る
聖者の手袋 手に触れて神聖魔法を行使した際、魔法の成功率が微増する
聖者の靴 移動時や戦闘時の疲労を微軽減する
慧眼の眼鏡 遠距離攻撃の軌道が見える。
啓示イヤリング 視覚外からの攻撃を音で知らせる
祈祷の指輪 HPとMPを捧げる事で、魔を祓う聖域【サンクチュアリ】を展開する
シリーズ装備
右手 女神の杖
左手 天使の大楯
頭 聖者の冠
胴体 聖者の法衣
腕 聖者の手袋
足 聖者の靴
アクセサリー
顔 慧眼の眼鏡
頭部 啓示のイヤリング
右手 祈祷の指輪
左手 無し
「これは・・・凄いな。破格の性能じゃないか!」
ソラは意気揚々と全身の装備を、手に入れたばかりの装備に切り替える。その際、アクセサリー枠解放チケットを使用するのも忘れずに、しっかりと全身の装備を入れ替えた。左手に今まで付けていた『清貧の指輪』を装備し、ソラは意気揚揚とダンジョンの入口に戻る事の出来る魔法陣に乗り、その場を後にしたのであった・・・。
☆★☆
「ふう。とりあえず今日は遅い時間だし、明日から色々と検証すればいいかな。ログアウトする前に、教会に行って報告だけはしておこう」
エルフ族が最初にスタートする『樹海の村』。村の北側にある寂れた教会に向かうソラの足取りは軽く、穏やかであった。通い慣れた道を進み、リリース初日から、今現在に至るまでの怒涛の3日間を思い出す様に——夕焼けに染まる教会を見上げるのであった・・・
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