甘く耳元で囁かないで!!

Oboe

第1話 こんな奴にバレるなんて・・・!!

「これから、今後の学園祭の方針について話し合いましょう。」

「生徒会長、今年は昨年同様にする次の学院祭はのでしょうか?」

「そうだね。まずはそこから考えましょうか。」


5月。青葉山学院に火が付き始める。

それは_____

    学院五大行事の一つ目である「春の学院祭」

「春の」と着くほどなので「夏の」があるかと思えば、次の学院祭は秋になる。

春、学院祭を通して新たなクラスメイトや学校に馴染み、

夏、青葉大会と称した夏祭りのような大会で全校生徒が盛り上がり、

秋、再び学院祭がやってくる。この学院祭では他でいう文化祭と同じようなものだ。

  秋にはもう一つ大きな行事がある。それは青葉祭という体育祭。

冬、合唱祭を最後に学院五大行事は幕を下ろす。


冬の合唱祭を終えると、学院の高等部三年の先輩たちは青群大学への推薦証をもらえるものは貰い、他の大学を受験する者は受験勉強へとそれぞれの進路へと歩みを進めていく。

後輩たち?後輩、まぁ、高等部二年生~中等部一年生までの冬のこの時期は部活が熱心になる。それぞれ、大会は夏や秋やで忙しく、先輩たちが引退した後、「先輩」という穴を塞ぐように部活に熱心になる。



まあ、僕らの青葉山学院の説明をしていても話が進まないのでこれくらいにしておこう。



「______以上。

 これで話し合いは終了となる。各クラス・部活で学院祭の準備をするようにと声掛けをしておくこと。ポスター提出日は、学院祭の二週間前。期日は厳守で。」

「はい」

「書記は、まとめられた?」

「・・・な、なんとか」

「じゃあ、解散ということで。今日の下校時刻は20時まで。・・・後、2時間後か。」

「で、あれば、私、校内放送入れておきますね。」

「ありがとう。頼むよ。・・・あ、でも大丈夫?吹奏楽部って今、大変なんじゃ・・・?」

「生徒会と部活でしたら生徒会が第一ですよ。・・・全校生徒第一ですからね!!」

そう言い、彼女は腕に付けたワッペンを指さした。そこに「全校生徒第一です!!」と彼女の字で小さく書かれていた。

「バレないようにな~」

「はい!!」


そろそろ自分も弓道に行かないと部長に怒られるな・・・

・・・いや、その前に薬を飲む方が先だな


「まぁ、誰もいなくて安心っちゃ安心だけどさ・・・」

電気のない4月の19時って暗くない!?

俺の気のせい???

なんか怖いからさっさと薬飲んで武道館行こう・・・


「あれ?生徒会長の柊じゃん!!」

「げ・・・」

「「げ」ってなんだよ!!お前の友達だろ」

「友達かは人それぞれですけど、常盤くんって明るすぎてちょっと苦手なんですけど!!」

「そんなはっきりというお前もスゲーけどな」


気が付くと常盤は目の前に立っていて、自分の手の中にある錠剤を見つめていた


「え、なに?」

「生徒会長ってさ、Sub?」

「!!!!」

よりによって一番バレたくなかったやつにばれるなんて!!

なんてはぐらかす??なんて言い訳??「おなか痛いから胃薬だよ~」とか?「頭が痛いから頭痛薬なんだ~」とか??とりあえず何でもいいから今は笑ってごまかしちゃえば・・・!!

「どした?」

「べ、別に・・・お、おなかが痛いから正〇丸・・・だ、よ・・・?」

「フーン・・・」

絶対怪しまれてる・・・と、取り合えず、この状況はとにかく悪いからなんとかしなければならない!!


「でさ~、美紀って3組の上条君のことが好きらしいよ」

「え、まじ??」

「この前までは常盤君のことが好きって言ってたのにね~」

「美紀っていろんな男好きになりやすくない??」



常盤くんの意識がそっちに行ってる間に・・・僕は逃げる!!!


「え、あ、ちょ!!」



トイレで時間を稼いで、そ、それで・・・そこから・・・いつも通りに帰る・・・


「あ・・・え・・・?」


身体・・・すげぇ・・・熱いんだけど・・・薬、飲んだよね・・・?

ここ・・・旧校舎だからだれも・・・来ない・・・から・・・ま・・・ずい・・・






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