【性格破綻者のTS転生】なんだかTSでダンジョンマスターに転生させられていたんだけれど俺は運営とかしたくないので【吸収】によってダンジョンコアを吸収させて貰います。

ぬぬぬ

第1話 ダンジョン運営とかクソ面倒くさそうなのでダンジョンコアを破壊しようと思います。

「ぬぬ、ここは?」


ある1人の人間は気が付くと洞窟の中にいた。

その男が自身の周囲の状況を把握するために周りを見回す。


すると不思議なことに宙に浮く発光する宝玉を見つけた。それ以外にはなのにもない空間だが、出口はすぐそこであり、外には植物が群生していることがここから見てもわかった。


そして男が意識を取り戻してからしばらくが経過した。体感時間としては2時間程度だろうか?


ここでは以前のようにスマホなどの暇つぶしが出来ない。なので男は洞窟内で考え事にふけっていた。


初めは誘拐かと推測していたのだが、こんな洞窟に誘拐するものなのか?

そもそも何故か俺の身体自体が変化している。


腕が細く色白、華奢という言葉が正しい気がする。まるで…

これ以上考えるのはやめておこう。


外に出るか?

だが先程少し確認をしたのだが、見えない膜のような何かで男は出れないことを体験していた。


【全員が目覚めましたね】


突然洞窟内に。いや、自分の脳内にそのような声が響いてきた。

このようなことがあるのかと驚いたが現状はこの声を聴いた方がいいだろう。そう判断し、謎の声に耳を傾けることにした。


【記憶を操作しましたので現状が分からないかと思われます】

【では説明をしてあげますね!死因はどうあれあなた方は1度死んでしまいました。つまり生き返してあげたのです。】

【あなた方は全員で1万人、これからダンジョンと呼ばれている迷宮を運営してもらいます。他の方はライバルと認識頂いて結構です。】

【ここは異世界でありダンジョンの主はあなた。迷惑行為、法律で禁止されていた行為、その全ては適用されません。行動は自由です。私に敵対しようと何をしようがあなた方を咎めたりは致しません、精々足掻き苦しむ姿を楽しみにしています】


男はその言葉に納得が言ったかのように頷いた。全員が目覚めるにしては遅いと推測をしていたがまさか1万人もいるなんて。


それから男は死んでいたという事実を知り、考えたがモヤがかかると言うよりもそもそも体験していないかのように思えるほど思い出せない。


まあ死因なんて聞いてもどうすることも出来ないので声の主が記憶操作を行えるということだけ警戒しておこうと心に決めた。


【あなた方には特異能力というものが必ず1つ与えられています。私にもあなた方の力は分かりませんがそれらはこの世界でも突出した能力です】

【自身の能力やスキルは【ステータス】と唱えるか表示したいとでも思えば表示出来るようにしてありますのでご確認ください】


「・・・ステータス」


男の耳と頬は現在赤く染まっている。これほど恥ずかしい厨二病セリフはそうそうないだろう。

これからは唱えないようにしようと心に決めたのだった。


【ステータス】

名称 不明 LV1

スキル 鑑定Lv1 

特異能力 吸収

功績 ダンジョンマスター


【これで説明は終了です。他に聞きたいこと?自分で考えてください。この世界でやって行けるかは分かりませんが、まあせいぜい頑張ってください。後ろで楽しく見させてもらいますね】


ふむ、案内は終了ということか。あまり有益な情報は引き出せなかったのでとりあえずダンジョンマスターになったということだけを心に留めておこう。


ステータスを見ると男の名前が載っていなかった。

名前が、思い出せない……

自身の名前は先程まではわかっているつもりだったのに。なるほど、これが記憶操作なのだと男は実感した。


いや、そんなことはどうでもいい。

早速スキルを見ると鑑定という文字が目に留まる。この鑑定はこのステータスのようなものを見る力なのか、それとも元の世界で言う物の価値を見る力なのか。


男は発動してみないと分からないと結論を出した。


感覚的にではあるが、鑑定がこのステータス表示に使用できるという直感に従い、何を見るかを選ぶ。

【鑑定】でこの特異能力【吸収】を見てみよう。そう思うだけで詳細が見ることが出来た。


特異能力【吸収】1/1

説明 制限1回でありとあらゆる物を急できる。アイテムの能力を解析し、身体に組み込みその特性を使用できる。一致するアイテムであるなら再吸収可能。


つまりは吸収するものによって変化する特異能力であり、吸収したものの特性こそが特異能力の代わりということだと推測を立てた。


男の視線はすーっと僅かに発光している謎の宝玉に向いた。これがダンジョンもとい、迷宮の核であると推測できる。


男が何を考えているのか。それはこの状況を見ているものならば誰にでもわかるだろう。

早速とばかりにコアに手を触れる。危険なものではないと分かれば怖くは無い物だ。


『ダンジョンマスターを確認しました。迷宮主として認定』「吸収」

『え?ちょ、やめ……』


【アイテム【迷宮核】に【吸収】を使用しました。解析を実行します。間違った操作である場合、速やかにキャンセルを行ってください】


どうやらダンジョンコアにも意識があるようだった。初めの言葉は落ち着いた元であったが途中から酷く荒れていた。


吸収スキルは解析中ならば解除できるようだがそもそも実行したのだから解除する意味は無い。解除プロセスは安全装置として無視することにした。


やめて欲しいと言われた気がするが男はそんな言葉は無視をする。

そもそも迷宮核とやらは俺の物なのでどうしようが勝手である。と考えていた。


暫くすると解析を終えたのか吸収を開始し始めたのが伝わる。謎の力が自身に入ってくることがわかった。そしてその力が自身の体を作り替えていることにも。


力を吸収されているダンジョンコアは次第に透明度がなくなり、色が透き通る水色から汚いねずみ色に変化していく。


そして吸収を終えると同時に迷宮核はボロボロと崩れ、灰のようになり散っていった。


『ダンジョンコアの消失を確認、ダンジョンマスターの生命活動を停止します』


え?ちょ、俺死ぬの???


確かにダンジョンの物語ではよくある設定であったが、それなら初めに説明が欲しかった。ダンジョンコアが破壊されると同時に死ぬということを、


そのようなことを考え、死を覚悟しているともう10秒近く経ったがまだ生命活動の停止は来ない。

不思議に思っていると機械的な声が脳内に流れてきた。


【特異能力【吸収】の完全実行が完了しました。吸収スキルはこれ以上のスキル使用は行えません】


【身体的変化を確認、種族が【人族】から【魔法生物】へと変異しました】

【魔法生物は血を流さず、生理現象及び生理的欲求が無効。種族的な価値観が変化しました】


【スキルの獲得を確認、【簡易ダンジョンエリア】【擬似DP】【改造&作成】【魔物支配&作成】【補助人格】を獲得しました】


【迷宮核の特性を引き継ぎました。【自然回復及び一部回復手段の凍結】【属性が闇に統一】【種族変化による弊害】【経験値及びレベルが消失】このような点をご注意ください】


【様々な功績の獲得を確認、【失敗に終わった自殺者志願者】【最初の回数異能使用者】【不死者】【最初の種族変化】【最初の魔法生物化】【最初系統功績獲得者】【最初のスキル獲得者】【放棄者】を獲得しました】


ふむふむ、むむ?

気になる点が多すぎるな。デメリットは手に入れたスキルとかでカバー出来るはずだけど

おお、凄いな、とりあえずステータスを表示してみよう。


【ステータス】

名称 不明 

スキル 【鑑定Lv1】【簡易ダンジョンエリアLv1】【擬似DPLv1】【改造&作成Lv1】【魔物支配&作成Lv1】【補助人格】

特異能力 『吸収』

功績 【ダンジョンマスター】【失敗に終わった自殺者志願者】【最初の回数異能使用者】【不死者】【最初の種族変化】【最初の魔法生物化】【最初系統功績獲得者】【最初のスキル獲得者】【放棄者】


このステータスにも色々と気になる点が多いな。

早速とばかりにこれらの能力に鑑定を使用しようとしたのだが、何故か発動しない。


「あれ、鑑定できない?鑑定、鑑定、鑑定っ、鑑定鑑定鑑定、かっんってっいっっ!」


幾ら考えても発動しないので声に出してみたが発動する様子は無い。クールタイムという可能性があるな。そこら辺は不明だが鑑定が使えるようになればこれからわかるだろう。


だが1日1回であるのならこの鑑定という能力は考えていよりも使いにくくなる。

鑑定対象が現れた時に発動ができない、なんてことがあるかもしれないからだ。


だが、暫く経ってから何故か鑑定の再展開可能という感覚が流れてきた。

早速使ってみようと思うが何がいいだろうか?その結果、鑑定を対象にしてみようという結論になった。


スキル【鑑定】

目に見える物の詳細がわかる


これを見て初めに見て「簡潔っ!」と驚愕した。

何故ここまで簡潔なのだろうか、特異能力ではもっと詳しく鑑定できてたというのに何が違う?


まあそれらは置いておいてこの鑑定にはLvが表示されていないという疑問がある。

鑑定全てへの説明なのか、単にレベルが低いため表示されないのか。

説明の少なさ的に後者だと信じる他ない。


しばらく男は洞窟内でボーッとしていたがあることを思いついた。

自身はダンジョンコアとやらを吸収したのだからここから出られるのではないだろうか。


早速洞窟内の外に出ようとすると先程の透明な膜を感じない。つまりここに縛られる存在ではなくなったということだ。


鑑定のことを思い出す。

鑑定のクールタイムは1時間程度だろう、体感はそのくらいだった。

俺は今日は面倒事が多いなと思いながら鑑定のクールタイムが解かれるまで休むことにした。

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