第4話

ミリアとノア:尖塔を叩け!

悠斗とエリスが乗り手付きの傀儡と交戦する轟音が響き始める中、ミリアとノアは、王都でも一際高い教会の尖塔が見える位置まで駆け上がった。

ミリアの顔は緊張で真っ青だ。「うう……先輩、私、高いところ苦手なのに……」

「ミリア、大丈夫。あたしが守るから!」ノアはミリアの背後に立ち、獲物を狙う猫のように低い姿勢を取る。「制御体がこっちに気がつく前に、一発で終わらせるよ。準備はいい?」

「う、うん……!」

ミリアは魔導銃杖(マジック・ガンロッド)を構え、震える手を抑え込んだ。普段の彼女からは想像できないほど、その瞳には強い光が宿っている。

「目標、尖塔上部!いくよ、術式構築、最大出力――」

その瞬間、尖塔からミリアたちへ向けて、微かな魔力の集中が発生した。制御体がこちらに気が付き、遠隔攻撃魔法を放とうとしている。

「ノア、狙撃を!」ミリアが叫んだ。

「ニャァッ!」

ノアは返事と同時に、装着した黒い手甲(クロー)から、濃縮された魔力弾を音もなく放った。その弾は、狙い澄まされた精密な一撃。

ドンッ!

魔力弾は、尖塔の制御体が攻撃魔法を放つ直前、そのわずかな魔力集中点に直撃した。

「やった!ノア、さすが!」

制御体の魔法は寸前で崩壊し、僅かな火花を散らす。その一瞬の隙を、ミリアは見逃さなかった。

「これで邪魔はない!いくよ!『エクスプロージョン・ノヴァ!』」

ミリアが放ったのは、広範囲殲滅用の最大級の爆裂魔法だった。それは、一点に収束された純粋な破壊の奔流。

轟音と共に、光の柱が尖塔の目標箇所を直撃する。教会の石造りの尖塔は、ミリアの魔法の直撃を受け、根元から崩壊した。

「成功!やったね、ノア!」ミリアは安堵の息を漏らす。

尖塔が崩壊した瞬間、王都で暴れていた4体の魔導傀儡は、動きを止め、紫の魔力を失って、ただの石の塊へと変わった。

「よし、4体は停止。ご主人様、目標の半分は片付けたよ!」ノアが無線で悠斗に報告を入れる。

しかし、その直後だった。

ミリアとノアの足元に、鋭い影が伸びる。

「くっ!まだいた!」

「ノア、危ない!」

二人が振り返った場所には、先ほどまで沈黙していたはずのもう一体の制御体が、小型の傀儡を操り、二人を挟み撃ちにしようとしていた。

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