俺と最強ハーレム騎士団。夜の相手も、王都防衛も手を抜けない

DONOMASA

第1話

異世界転生した俺、悠斗の隣には、今日も彼女たち美しき乙女たちが集う。王都の一室、キングサイズのベッドはとうに満員だ。

「ねえ、悠斗先輩。今日も抱き枕にして、いいですか?」

ドジっ子魔法使いのミリアが、甘えた声を出しながら腕に絡みついてくる。柔らかく、そして豊かな胸がTシャツ越しにこすれて、俺は初手で既にギブアップだ。

「はしたない真似は止めなさい、ミリア。……悠斗、本命は、私でしょう?」

ツンデレな王女エリスは、ため息と見せかけて、俺の腰のあたりにそっと手を伸ばす。さりげないようでいて、確実に距離を詰めてくる大胆さ。

「ご主人様……もしよかったら、あたしの膝枕も……」

猫耳の獣人ノアは、魅惑の黒い尻尾で俺の首元をそっとくすぐり、寝返りを打ったふりをして顔のすぐ近くまで移動する。

ベッドの中は、吐息が聞こえるほど密着しきっていた。肌と肌が直接触れ合うたびに、皆はっとして紅潮する。熱がこもり、部屋の空気が甘く重い。

彼女たちの吐息は、控えめに、しかし確実に夜の静寂に漏れていた。

その中心にいる俺を見つめ、誰とも特定できない、熱にうかされた吐息が問う。

「ねぇ……この熱、どうするつもりですか?」

その声に呼応するように、三人は競い合うように俺の身体に手を伸ばしてきた。

「ああ、やっぱりみんな、俺のことが好きなんだな……」

不思議で罪深い幸せに包まれる夜だった。


悠斗が「やっぱりみんな、俺のことが好きなんだな……」と心の中でつぶやき、この不思議な幸せに身を委ねようとした、その刹那。

静かに閉まっていた窓ガラスが、ビリビリと震えるほどの轟音と共に激しく揺れた。

ドオォォン!!

強烈な爆風が窓の外から押し寄せ、部屋の空気ごと張り詰めたムードを吹き飛ばす。ドジっ子のミリアは「ひゃん!」と小さな悲鳴を上げて悠斗の腕にしがみつき、ノアは驚きで耳をピクピクと震わせる。

「な、何事ですの!?」

エリスが素早く跳ね起き、すぐさまベッドサイドに置いてあった愛用の細剣を掴み取る。王女としての鋭い警戒心が、一瞬で彼女の顔から紅潮を消し去った。

悠斗は身を起こし、窓に駆け寄る。カーテンを開けて夜の王都を見下ろすと、視線の先にあったのは、都市の外壁付近から立ち上る黒煙と、不気味な紫色の閃光だった。

「やれやれ、まったく休ませてくれないな」

悠斗はため息をつきながらも、その瞳には戦闘を予期した鋭い光が宿る。

「ミリア、ノア。準備はいいな?」

「もちろん!先輩の邪魔をする奴は、このミリアが吹っ飛ばしてやります!」ミリアは魔法使いのローブを素早く羽織り、杖を握りしめる。もはやそこにいたのは恋する少女ではなく、戦う魔導士だ。

ノアはすっと立ち上がり、猫耳をヒクヒクさせながら鋭い警戒を続けている。

「ご主人様、あの魔力の匂い……ちょっと厄介な相手みたいです」

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