暗殺者は恋に弱い。

やきとり

第1話 雨宮朔は暗殺対象だそうです。

現在時刻午後5時半。学校の授業は全て終了し、ほとんどの生徒は帰宅か、部活をする中、僕、雨宮朔(あまみや さく)は第2理科室へ向かっていた。

「桐谷のやつ、なんで放課後に呼び出すんだよ」

別にテストの点数が悪いとか、出席が足りてないとかではない。自分で言うのもなんだが、テストは全教科90点以上だし、今までインフルエンザを除けば一回も学校を休んだことは無い。

「はぁ」

ため息をしながらも、第2理科室へと到着し、ドアを開けるとそこには担任の桐谷誠也がコーヒーを飲みながら座っていた。

「桐谷先生、用事ってなんですか?早く帰りたいんですけど」

若干声色を低くし、不機嫌そうにつぶやく。

「単刀直入に言おう。――君にはこれから恋のミッションを遂行してもらう」

唐突にそんな言葉を投げつけられ、動揺している僕に追い討ちのように言葉を投げかける。

「君は現在、暗殺対象になっている。」

「は?」

何を言っているのか分からない。恋のミッション?暗殺対象?現実離れした言葉が並びすぎて、頭の整理がつかない。

しかし、そんな僕を気にせず、いつも通り桐谷は冷静に話し続けた。

「昨日、国際秘密警察から通達が来た。それによると、雨宮朔が現在レベリオという闇組織の中で暗殺対象として認定されたらしい。理由は分からないがな」

いや、ちょっと待てよ。なんで普通の高校1年生が暗殺対象になってんだよ……。てか国際秘密警察って何?

「エイプリルフールのジョークですか?」

そうだよ。こんなの冗談に決まってる!暗殺?ふざけるな、そんなことが現実であるわけないだろ。

「今日は11月4日、冗談なんかじゃなくて、現実だよ」その言葉冷静で、かつ重みがあった。

「………で、なんでそれが恋の話と繋がるんですか」

「暗殺者は全員特殊能力を持っていて、それを行使して君を暗殺しようとしてくる」

「だから、なんでそれが恋の話とッ」

桐谷は僕の目に向けてピッと指さし

「話は最後まで聞きたまえ。その特殊能力にはとある弱点がある。それは、暗殺者が恋に落ちることだ」

ますます意味がわかんなくなる。暗殺者は特殊能力を持っていて、恋愛すると使えなくなる?あまりにもファンタジーすぎる話に戸惑いを隠せない。

「そして現在君を暗殺しようとしている者の名前は

――朝宮凛(あさみや りん)。君のクラスメートだ」

「……………え」

朝宮凛は学内でかなりの有名人である。

整った顔に、栗色のボブで、頭には花柄のカチューシャをつけ、誰にでも優しいそんなアイドル的存在。

そんな彼女が暗殺者……。

桐谷はそんな静寂を断ち切るようにして、話し出した。

「だから君には朝宮凛を攻略してもらう」

「いやいやいやいやいや、絶対無理!あの容姿端麗、才色兼備な朝宮凛だぞ!俺なんかには絶対無理だ!」

桐谷はニヤッと笑いながら、

「そう言うかと思って、秘密兵器を用意した」

そういうと、白い紙袋から分厚い本を取り出した。そこには、

「『猿でも分かる!恋愛初心者のための恋愛講座―これで気になるあの子もメロメロ』ってふざけんなよ!」

こんなんで本当に暗殺を阻止出来るのだろうか。ほんとにコイツを信用すべきなのか。不安要素は絶えないが、なんだかんだ本を受け取ってしまった僕は、本当に恋愛初心者なんだと、自分が少し嫌になった。


追記

はじめまして、小説を書いたり、投稿したりするのは初めてで、自己満作品になってしまっていたらすいません。何となく始めたこの作品はいつまで続くか分かりませんが、好評なら続けていきたいと思います。



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