Day 5

夜、今日は本当に寒い。


まだ10月下旬のはずだが、本当に寒い。


冬服を用意した方がいいかもしれない。


そんなことを考えながら、僕は今日もベットに入る。



昨日のことも、あまり覚えていない。


いや、正しくは寝る直前のことをあまり覚えていないという感じだ。


幼馴染が幽霊になって会いに来て一緒に泣いてから、なんか色々話したのは覚えている。


その後、ベットに横になって、確か・・・


そこからが曖昧だ。



ベットに入る。


外は寒い、しっかりベットで暖まろう。



「・・・っひ!」


「ベットの中がなんか寒い!!」


何だこれ、こんなに寒いことは無いはず・・・



「電気消して・・・」


「へ?」


ナニカの声が聞こえてくる。


・・・これは、幼馴染の声だ






「電気消してくれてありがとね」


「ふふふ、今日も話せるね、君!」


「あ・・・うん」


・・・嬉しい反面、少し恥ずかしい。


死んでいる幼馴染と今でも話せるのは本当に嬉しい。

だが、今までの幼馴染の『好き好き』発言。


僕たちはまだ、付き合っていない。


確かに小さい頃から一緒で、友達からもそういう認定などをされ微笑ましく見守られてはいたが付き合ってはいない。


・・・どう話せばいいかがわからない



「んー?」


「どうしたの?」


「あ、いや、なんでもないよ」


「えー?なんだよー」



「・・・寒いね」


「・・・ごめん、それ原因私かも」


「え?」


「なんかさ、幽霊とあって寒気がするーとかあるじゃん、おばけは冷たいとかいうし」


「私結構前から、このベットの中居たんだよね」


「もしかしたら・・・それかも」



「まぁ・・・この感じ、絶対自然の寒さじゃ無いもんね・・・」


「マジでごめんなさい」


「僕暑いより寒い方が好きだから大丈夫だよ」


「よかったー」


・・・え?


聞かない方がいいかと思って聞いてないけど、結構前からこのベットに居たの!?


・・・知らぬが仏かな


「そっか・・・なら、こんなことしてもいい?」


「っひ!急にさむ!」


「ふふふ・・・まだ触れることは出来ないけど、こんなことなら出来るよ」


「ほらほらー寒いだろー」


「ちょ、寒いよ」


「ほらほら、暑いより寒い方が好きなんでしょ」


「そして多分私が触ったら暑いタイプの幽霊だった場合寒いより暑いが好きっていうんでしょ君は」


「いや言わないよ」


「嘘だー、絶対気をきかすもん、君は」


「寒い方がいいの本当だって」


「じゃあ何でそんな向こう行くの?」


「寒すぎるからだよ!!」


「大丈夫だってー」


「死んじゃうよこれ僕・・・」



「・・・大丈夫、寒さぐらいじゃ死なないよ」


「自分が寒さで死んで無いからってそういうこと言わない!!」


「大丈夫だもーん」


「雪山で遭難した幽霊に怒られるよ・・・」


「大丈夫!見えないから」


「見えないからって何もしていいわけないよ!」



その日は、そんな感じで楽しく話して眠った。


最近ずっとロクな眠り方をしていなかったが、今日はしっかり寝ることができた。


そんな日が続くと思っていた。

















彼女は、幽霊だった。













幽霊

→→→→成仏別れ


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